20代は、キャリアの基盤を築く重要な時期です。第二新卒として新たな可能性を探る20代前半、そしてこれまでの経験を活かしてキャリアアップを目指す20代後半。それぞれのステージで、転職に求めるものや抱える悩みは異なります。しかし、共通しているのは「自分の可能性を広げたい」「より良い環境で働きたい」という前向きな想いではないでしょうか。
現代の転職市場では、転職サイトや転職エージェントの活用が不可欠です。しかし、数多くのサービスが存在するため、「どれを選べば良いのか分からない」と途方に暮れてしまう方も少なくありません。自分に合わないサービスを選んでしまうと、貴重な時間を無駄にしたり、理想のキャリアから遠ざかってしまったりする可能性もあります。
この記事では、20代の転職を成功に導くため、数ある転職サービスの中から特におすすめのものを厳選し、ランキング形式でご紹介します。さらに、目的別の選び方、転職サイトとエージェントの違い、失敗しないための具体的なポイント、そして転職活動をスムーズに進めるためのノウハウまで、網羅的に解説します。
この記事を読めば、20代のあなたが今すぐに行動を起こし、納得のいくキャリアチェンジを実現するための羅針盤が見つかるはずです。
目次
【結論】20代におすすめの転職サイト・エージェント総合ランキング15選
数ある転職サービスの中から、20代の転職において特に実績が豊富で、利用者からの評価も高いサイト・エージェントを総合的に判断し、15社を厳選しました。それぞれのサービスが持つ特徴や強みを理解し、ご自身の状況や希望に最も合うものを見つけるための参考にしてください。
まずは、今回ご紹介する15のサービスの特徴を一覧で比較してみましょう。
サービス名 | タイプ | 主な特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|
リクルートエージェント | 転職エージェント | 業界No.1の求人数。全年代・全業界を網羅。手厚いサポート。 | 初めての転職で不安な人、多くの求人から選びたい人 |
doda | 転職エージェント+サイト | 求人検索とエージェントサービスを両立。診断ツールが豊富。 | 自分で探しつつプロの意見も聞きたい人 |
マイナビエージェント | 転職エージェント | 20代・第二新卒に強い。中小企業の優良求人も多数。 | 20代前半、第二新卒、丁寧なサポートを求める人 |
リクナビNEXT | 転職サイト | 転職者の約8割が利用。強力なスカウト機能が魅力。 | 自分のペースで転職活動を進めたい人 |
type転職エージェント | 転職エージェント | IT・Web、営業、ものづくり系に強み。首都圏中心。 | 首都圏でIT・Web業界を目指す人、年収交渉を重視する人 |
ビズリーチ | スカウト型転職サイト | ハイクラス向け。優良企業やヘッドハンターから直接スカウト。 | 年収アップ、キャリアアップを目指す20代後半 |
Green | スカウト型転職サイト | IT・Web業界に特化。カジュアルな面談から始められる。 | IT・Web業界で働きたい人、企業の雰囲気を知りたい人 |
JACリクルートメント | 転職エージェント | ハイクラス・外資系に特化。コンサルタントの質が高い。 | 語学力を活かしたい人、グローバルなキャリアを目指す人 |
ハタラクティブ | 転職エージェント | 未経験・フリーター・第二新卒に特化。手厚いカウンセリング。 | 経歴に自信がない人、正社員経験を積みたい人 |
就職Shop | 転職エージェント | リクルート運営。書類選考なしの求人が中心。 | スキルや経験よりも人柄で勝負したい20代 |
パソナキャリア | 転職エージェント | 女性の転職支援に強み。丁寧なサポートに定評。 | ワークライフバランスを重視する女性、手厚い支援を求める人 |
Wantedly | ビジネスSNS | 企業のビジョンやミッションへの共感が軸。カジュアル面談。 | スタートアップ・ベンチャーに興味がある人 |
キャリアカーバー | スカウト型転職サイト | リクルート運営のハイクラス向けサービス。 | ビズリーチと併用し、ハイクラス求人の機会を増やしたい人 |
アサイン | 転職エージェント | 20代・30代のハイエンド層向け。長期的なキャリア戦略支援。 | 長期的な視点でキャリアを築きたい若手ハイキャリア層 |
いい就職ドットコム | 転職エージェント | 第二新卒・既卒に特化。正社員求人のみ。 | 大学卒業後、初めて正社員を目指す人 |
迷ったら、まずは業界最大手で求人数の多い「リクルートエージェント」、20代に強い「マイナビエージェント」、そしてスカウト機能が充実した「リクナビNEXT」の3つに登録しておくのがおすすめです。 これにより、プロのサポートを受けつつ、自分でも求人を探すという効率的な活動が可能になります。
それでは、各サービスの詳細を見ていきましょう。
① リクルートエージェント
リクルートエージェントは、転職支援実績No.1を誇る、業界最大手の転職エージェントです。 その最大の魅力は、なんといっても圧倒的な求人数にあります。公開求人だけでなく、リクルートエージェントしか扱っていない非公開求人も多数保有しており、あらゆる業界・職種を網羅しています。(参照:リクルートエージェント公式サイト)
特徴とメリット
- 圧倒的な求人数: 豊富な選択肢の中から、自分に合った企業を見つけられる可能性が最も高いサービスです。地方の求人も充実しているため、Uターン・Iターン転職を考えている20代にもおすすめです。
- 手厚いサポート体制: 各業界に精通したキャリアアドバイザーが、自己分析のサポートから職務経歴書の添削、面接対策まで一貫してサポートしてくれます。特に初めての転職で何から手をつけて良いか分からない20代にとって、心強い味方となるでしょう。
- 豊富な転職支援実績: 長年の実績から蓄積されたノウハウや企業情報が豊富です。過去の面接事例や企業の内部情報など、個人では得られない貴重な情報を基にした的確なアドバイスが期待できます。
どんな人におすすめか
- 初めて転職活動をする20代全般
- できるだけ多くの求人を比較検討したい人
- プロによる手厚いサポートを受けたい人
注意点
利用者が非常に多いため、担当者によってはサポートの質にばらつきがあるという声も聞かれます。もし担当者との相性が合わないと感じた場合は、変更を申し出ることも可能です。また、多くの求人を提案されるため、自分の希望を明確に伝えないと、情報過多になってしまう可能性もあります。
② doda
dodaは、パーソルキャリアが運営する、転職サイトと転職エージェントの両方の機能を兼ね備えた総合転職サービスです。 「自分で求人を探したい」というニーズと、「プロに相談しながら進めたい」というニーズの両方を一つのサービスで満たせるのが最大の特徴です。(参照:doda公式サイト)
特徴とメリット
- エージェントとサイトのハイブリッド型: 登録すると、キャリアアドバイザーからの求人紹介(エージェントサービス)と、自分で求人を検索・応募できる機能(転職サイト)の両方が利用できます。自分のペースで活動しつつ、必要な時にプロのサポートを受けられる柔軟性が魅力です。
- 豊富な診断ツール: 「キャリアタイプ診断」「年収査定」「合格診断」など、自己分析や企業選びに役立つ無料の診断ツールが充実しています。客観的な視点で自分の強みや適性を知ることができるため、キャリアの方向性に悩む20代には特に有用です。
- 業界トップクラスの求人数: リクルートエージェントに次ぐ豊富な求人数を誇り、幅広い選択肢を提供しています。特にIT・Web系やメーカー系の求人に強い傾向があります。
どんな人におすすめか
- 自分のペースで転職活動を進めたいが、プロのサポートも受けたい人
- 客観的な診断ツールで自己分析を深めたい人
- IT・Web業界やメーカーへの転職を考えている人
注意点
こちらも大手のため、多くの求人紹介があります。自分の希望条件を整理し、主体的に情報を選び取る姿勢が求められます。また、エージェントサービスとサイト機能が一体化しているため、最初は少しシステムが複雑に感じるかもしれません。
③ マイナビエージェント
マイナビエージェントは、新卒採用で有名なマイナビが運営する転職エージェントで、特に20代や第二新卒の転職支援に強みを持っています。 大手だけでなく、独占求人を含む中小企業の優良求人を多く保有しているのが特徴です。(参照:マイナビエージェント公式サイト)
特徴とメリット
- 20代・第二新卒への手厚いサポート: 若手層の転職市場を熟知したキャリアアドバイザーが、親身で丁寧なサポートを提供してくれます。初めての転職で不安が多い20代に対し、時間をかけてカウンセリングを行い、一人ひとりの強みや可能性を引き出してくれます。
- 中小企業の優良求人が豊富: 大手企業だけでなく、将来性のある隠れた優良中小企業の求人も多数扱っています。大手志向ではないけれど、働きがいのある会社で成長したいと考える20代にとって、新たな出会いの機会が広がります。
- 各業界の専任チーム制: IT、メーカー、営業、金融など、業界ごとに専門のチームが編成されています。そのため、専門性の高い業界情報や、企業の詳細な内部情報に基づいた、質の高いサポートが期待できます。
どんな人におすすめか
- 20代前半・第二新卒の人
- 初めての転職で、丁寧なサポートをじっくり受けたい人
- 大手だけでなく、中小の優良企業も視野に入れたい人
注意点
総合的な求人数ではリクルートエージェントやdodaに一歩譲ります。また、拠点が主要都市に集中しているため、地方での転職を希望する場合は、求人が限られる可能性があります。ハイクラス向けの求人は比較的少なめです。
④ リクナビNEXT
リクナビNEXTは、リクルートが運営する国内最大級の転職サイトです。 転職を考え始めたら、まず登録するサイトとして広く認知されており、転職希望者の約8割が利用していると言われています。エージェントとは異なり、自分で求人を探して直接応募するスタイルです。(参照:リクナビNEXT公式サイト)
特徴とメリット
- 圧倒的な知名度と求人数: 常に豊富な求人が掲載されており、あらゆる業界・職種・地域の求人を探すことができます。限定求人も多く、リクナビNEXTでしか出会えない企業も多数存在します。
- 強力なスカウト機能「オファー」: 職務経歴などを登録しておくと、それを見た企業や転職エージェントから直接オファーが届きます。自分では探せなかった優良企業から声がかかることもあり、効率的に転職活動を進める上で非常に強力なツールです。特に「プライベートオファー」は、企業があなたの経歴に強く興味を持った証拠であり、選考通過率も高い傾向にあります。
- 便利な機能が充実: 「グッドポイント診断」で自分の強みを客観的に把握したり、気になる企業を登録しておくと新着求人情報が届いたりと、転職活動をサポートする機能が満載です。
どんな人におすすめか
- 自分のペースで転職活動を進めたい人
- 多くの求人情報を自分で比較検討したい人
- 企業からのスカウトを受けて、自分の市場価値を確かめたい人
注意点
エージェントのような手厚いサポートはありません。応募書類の作成から面接対策、企業とのやり取りまで、すべて自分で行う必要があります。そのため、ある程度転職活動に慣れている人や、主体的に行動できる人向けのサービスと言えます。
⑤ type転職エージェント
type転職エージェントは、キャリアデザインセンターが運営する転職エージェントで、特にIT・Web業界、営業職、ものづくり系エンジニアの転職支援に強みを持っています。 首都圏の求人が中心ですが、その分、専門性の高いサポートと年収交渉力に定評があります。(参照:type転職エージェント公式サイト)
特徴とメリット
- IT・Web、営業職に強い: 長年の実績から、特にITエンジニアやWebクリエイター、企画・マーケティング職、そして営業職の転職支援に豊富なノウハウを持っています。専門知識を持つアドバイザーから的確なアドバイスが受けられます。
- 高い年収交渉力: 利用者の多くが年収アップを実現しているという実績を公表しており、年収交渉に強みを持っています。キャリアアップとともに収入も増やしたい20代後半の方には心強い存在です。
- 丁寧なカウンセリング: 一人ひとりのキャリアに寄り添った丁寧なカウンセリングが特徴です。単に求人を紹介するだけでなく、長期的なキャリアプランを見据えたアドバイスを提供してくれます。
どんな人におすすめか
- 首都圏でIT・Web業界や営業職への転職を希望する人
- 年収アップを第一に考えている人
- 自分のキャリアについてじっくり相談したい人
注意点
求人は首都圏に集中しているため、地方での転職を考えている方には不向きです。また、総合型のエージェントと比較すると、求人の絶対数は少なめになります。
⑥ ビズリーチ
ビズリーチは、ハイクラス人材向けのスカウト型転職サイトです。 年収600万円以上の求人が多く、管理職や専門職を目指す20代後半から30代以降の利用者が中心です。登録には審査があり、一定のキャリアやスキルが求められます。(参照:ビズリーチ公式サイト)
特徴とメリット
- 質の高いスカウト: 国内外の優良企業や、厳しい基準をクリアしたヘッドハンターから直接スカウトが届きます。自分の市場価値を客観的に知ることができ、思わぬキャリアの可能性が広がることもあります。
- ハイクラス求人が豊富: 経営幹部、管理職、専門職など、一般の転職サイトでは公開されていないような、質の高い非公開求人が多数を占めます。
- 主体的なキャリア形成: 企業やヘッドハンターと直接コンタクトを取れるため、受け身ではなく主体的にキャリアを築いていきたいと考える向上心の高い20代に向いています。
どんな人におすすめか
- 現年収が500万円以上で、さらなるキャリアアップを目指す20代後半
- 自分のスキルや経験に自信があり、市場価値を試したい人
- 専門職や管理職へのステップアップを考えている人
注意点
利用には審査があります。また、全ての機能を利用するには有料プラン(プレミアムステージ)への登録が必要です。無料プランでも一部のスカウトは閲覧できますが、主体的に活動するには有料登録が推奨されます。手厚いサポートを求めるエージェント型とは異なり、自ら動く姿勢が求められます。
⑦ Green
Greenは、IT・Web業界に特化した成功報酬型の転職サイトです。 登録者の約6割がIT・Web業界の経験者で、エンジニアやデザイナー、マーケターなどの職種に強みがあります。(参照:Green公式サイト)
特徴とメリット
- IT・Web業界に特化: 業界の求人が豊富で、スタートアップから大手企業まで幅広い選択肢があります。業界の最新動向に精通した情報が得やすいのも魅力です。
- カジュアルな面談文化: 「まずは話を聞いてみたい」というボタンがあり、応募の前に企業の担当者とカジュアルに話す機会を持てます。企業の雰囲気や働く人を直接知った上で応募を決められるため、ミスマッチを防ぎやすいです。
- 人事担当者から直接スカウト: 企業の人事担当者が直接あなたのレジュメを見てスカウトを送ってくるため、スピーディーな選考が期待できます。熱意のあるスカウトが多く、マッチングの精度も高い傾向にあります。
どんな人におすすめか
- IT・Web業界での転職を考えている20代
- 企業の雰囲気や働く人を重視したい人
- スタートアップやベンチャー企業に興味がある人
注意点
IT・Web業界以外の求人はほとんどありません。また、エージェントのようなサポートはないため、自己PRや面接対策は自分で行う必要があります。
⑧ JACリクルートメント
JACリクルートメントは、管理職・専門職の転職支援に特化したハイクラス向け転職エージェントです。 特に外資系企業やグローバル企業への転職に強みを持ち、30代以上の利用者が中心ですが、高い専門性を持つ20代後半も対象となります。(参照:JACリクルートメント公式サイト)
特徴とメリット
- ハイクラス・外資系に特化: 年収600万円以上の求人が中心で、外資系企業や日系グローバル企業の求人を豊富に扱っています。語学力を活かしたい、グローバルな環境でキャリアを築きたい20代に最適です。
- コンサルタントの専門性: 各業界・職種に精通したコンサルタントが両面型(企業と求職者の両方を一人が担当)でサポートするため、企業のニーズと求職者のスキルを高い精度でマッチングさせることができます。
- 質の高いコンサルティング: 目先の転職だけでなく、中長期的なキャリアパスを見据えた質の高いコンサルティングに定評があります。
どんな人におすすめか
- 語学力に自信があり、外資系・グローバル企業を目指す20代後半
- 専門性を活かして、さらなるキャリアアップを図りたい人
- 質の高いキャリアコンサルティングを受けたい人
注意点
ハイクラス向けのため、ある程度の職務経験やスキルが求められます。第二新卒や未経験者向けの求人はほとんどありません。紹介される求人数は、総合型エージェントに比べると少なくなる傾向があります。
⑨ ハタラクティブ
ハタラクティブは、レバレジーズが運営する、20代のフリーター、既卒、第二新卒など、社会人経験が浅い層に特化した転職エージェントです。 未経験から正社員を目指す若者を徹底的にサポートする体制が整っています。(参照:ハタラクティブ公式サイト)
特徴とメリット
- 未経験者への手厚いサポート: キャリアアドバイザーがマンツーマンで、自己分析から書類作成、面接対策まで、基礎の基礎から丁寧に指導してくれます。社会人としてのマナーに不安がある方でも安心して相談できます。
- ポテンシャル採用の求人が中心: 実際に取材した企業の求人のみを紹介しており、学歴や職歴ではなく、人柄やポテンシャルを重視する企業の求人が中心です。
- 高い内定率: 手厚いサポートの結果、高い内定率を誇ります。経歴に自信がなく、一人での転職活動に不安を感じる20代にとって、非常に心強いサービスです。
どんな人におすすめか
- フリーターや既卒で、初めて正社員を目指す人
- 社会人経験が浅い第二新卒
- 自分の経歴に自信がなく、手厚いサポートを求める人
注意点
紹介される求人は、未経験者歓迎のポテンシャル採用が中心のため、高い給与や専門的な職種を求める方には不向きです。キャリアアップを目指す20代後半には物足りない可能性があります。
⑩ 就職Shop
就職Shopは、リクルートが運営する、20代の若者向けの対面型転職支援サービスです。 ハタラクティブと同様に、既卒、第二新卒、フリーターなどを対象としていますが、最大の特徴は「書類選考なし」で面接に進める求人のみを紹介している点です。(参照:就職Shop公式サイト)
特徴とメリット
- 書類選考なし: 経歴やスキルに自信がなくても、人物重視で採用を考える企業の面接を直接受けることができます。「学歴や職歴のフィルターで落とされてしまう」という悩みを抱える20代にとって、大きなチャンスとなります。
- 100%訪問取材した企業のみ: キャリアコーディネーターが全ての企業に直接訪問し、労働環境や職場の雰囲気などを確認しているため、ブラック企業を避け、安心して応募できます。
- 対面での手厚いサポート: 全国の拠点でキャリアコーディネーターと直接会って相談できます。一人ひとりの個性や価値観を理解した上で、最適な求人を紹介してくれます。
どんな人におすすめか
- 書類選考に自信がない20代
- 自分の人柄や意欲を直接アピールしたい人
- 職場の雰囲気を重視する人
注意点
求人は若者向けのポテンシャル採用が中心です。拠点は主要都市に限られているため、地方在住者は利用しにくい場合があります。対面での面談が基本となるため、Web完結で進めたい人には不向きかもしれません。
⑪ パソナキャリア
パソナキャリアは、人材派遣大手のパソナグループが運営する転職エージェントです。 全業界・全職種をカバーする総合型でありながら、特に女性の転職支援に強みを持ち、丁寧で親身なサポートに定評があります。(参照:パソナキャリア公式サイト)
特徴とメリット
- 女性のキャリア支援に強み: 女性のキャリアアドバイザーも多く在籍し、女性ならではのキャリアの悩みにも親身に相談に乗ってくれます。産休・育休制度が整っている企業や、女性管理職が活躍している企業の求人を豊富に扱っています。
- 丁寧なサポートと高い顧客満足度: オリコン顧客満足度調査の転職エージェント部門で高い評価を継続して獲得するなど、サポートの質の高さが客観的にも証明されています。
- 年収交渉力: 利用者の年収アップ率が高いことでも知られており、キャリアアップと同時に待遇改善を目指す20代にとって魅力的な選択肢です。
どんな人におすすめか
- ワークライフバランスを重視する女性
- 親身で丁寧なサポートを求めるすべての人
- 現在の年収に不満があり、待遇改善を目指したい人
注意点
求人の絶対数では最大手のリクルートエージェントやdodaには及びません。ハイクラス層やIT専門職など、特定の領域に特化しているわけではないため、専門性の高い転職を希望する場合は、特化型エージェントとの併用がおすすめです。
⑫ Wantedly
Wantedlyは、「シゴトでココロオドルひとをふやす」をミッションに掲げるビジネスSNSです。 従来の転職サイトとは異なり、給与や待遇ではなく、企業のビジョンやミッション、働く人への共感を軸にマッチングを図るのが特徴です。(参照:Wantedly公式サイト)
特徴とメリット
- 共感を軸にしたマッチング: 企業の「想い」やカルチャーを深く知ることができるため、価値観の合う会社を見つけやすいです。特にスタートアップやベンチャー企業の利用が多く、先進的な働き方を求める20代に人気です。
- カジュアルな面談: 「話を聞きに行きたい」ボタンから、選考の前に社員とカジュアルに話す機会を持てます。会社の雰囲気を肌で感じることができるため、入社後のミスマッチを防ぎます。
- ポートフォリオ機能: 自分のプロフィールページにこれまでの実績や作品をポートフォリオとして掲載でき、スキルや個性を効果的にアピールできます。
どんな人におすすめか
- 企業のビジョンやカルチャーを重視する人
- スタートアップやベンチャー企業で働きたい人
- いきなり選考ではなく、まずは企業の人と話してみたい人
注意点
求人情報に給与が明記されていないケースが多いです(面談時に確認する形が一般的)。エージェントのようなサポートはなく、企業とのやり取りはすべて自分で行います。即戦力を求める求人も多く、未経験者にはハードルが高い場合もあります。
⑬ キャリアカーバー
キャリアカーバーは、リクルートが運営するハイクラス向けのヘッドハンティングサービスです。 ビズリーチと同様のスカウト型サービスで、年収800万円以上の求人が中心ですが、将来有望な若手層向けの求人も存在します。(参照:キャリアカーバー公式サイト)
特徴とメリット
- ハイクラスに特化: 経営幹部や事業責任者、専門性の高いスペシャリストなど、企業の根幹を担うポジションの求人が豊富です。
- 質の高いヘッドハンター: リクルートが厳選した優秀なヘッドハンターが多数登録しており、非公開の重要なポジションへのスカウトが期待できます。
- リクルートグループの信頼性: 業界最大手のリクルートが運営しているという安心感があります。
どんな人におすすめか
- ビズリーチと併用して、ハイクラス求人の機会を最大化したい人
- 将来的に経営層を目指したい、向上心の高い20代後半
- 自分の市場価値を複数のプラットフォームで確かめたい人
注意点
ビズリーチとサービス内容が類似しているため、どちらか一方でも十分な場合もあります。登録には審査があり、一定以上の経験やスキルが必要です。20代前半や未経験者には不向きです。
⑭ アサイン
アサインは、20代・30代のハイエンド層に特化した転職エージェントです。 特にコンサルティングファーム、金融業界、IT業界への転職支援に強みを持ち、長期的なキャリア戦略の設計を重視したサポートが特徴です。(参照:株式会社アサイン公式サイト)
特徴とメリット
- 若手ハイエンド層に特化: 20代・30代でキャリアアップを目指す層にターゲットを絞っているため、同世代の転職市場に関する深い知見に基づいたアドバイスが受けられます。
- 長期的なキャリア戦略支援: 目先の転職だけでなく、5年後、10年後を見据えたキャリア戦略を一緒に考えてくれます。「何をすべきか」が明確になり、納得感のある転職が可能です。
- 質の高い面談対策: ケース面接や思考力を問われる難易度の高い面接への対策に定評があり、難関企業への内定実績も豊富です。
どんな人におすすめか
- コンサル、金融、大手IT企業などを目指す優秀な20代
- 短期的な視点ではなく、長期的なキャリアプランを構築したい人
- ロジカルな思考力や問題解決能力に自信がある人
注意点
ハイエンド層向けのため、対象となる利用者は限られます。未経験からのキャリアチェンジや、ポテンシャル採用を狙う層には不向きです。紹介される求人は、思考力や地頭の良さが求められるものが中心となります。
⑮ いい就職ドットコム
いい就職ドットコムは、ブラッシュアップ・ジャパン株式会社が運営する、第二新卒・既卒者に特化した転職支援サービスです。 「若者のための”いい就職”」をコンセプトに、厳しい基準をクリアした企業の正社員求人のみを紹介しています。(参照:いい就職ドットコム公式サイト)
特徴とメリット
- 第二新卒・既卒に特化: 若手層の採用に積極的で、充実した研修制度を持つ企業の求人が中心です。社会人経験が浅くても安心してキャリアをスタートできます。
- 正社員求人のみ: 紹介する求人は100%正社員求人であり、契約社員や派遣社員の求人は一切扱っていません。安定したキャリアを築きたい若者に最適です。
- 充実したセミナー・イベント: 「いい就職プラザ」という拠点で、就活ノウハウを学べるセミナーや、企業と直接会える合同説明会などを頻繁に開催しています。
どんな人におすすめか
- 大学卒業後、ブランクがある既卒者
- 短期間で前職を辞めてしまった第二新卒
- 同じ境遇の仲間と情報交換しながら転職活動を進めたい人
注意点
対象が第二新卒・既卒者に限定されているため、ある程度の社会人経験を積んだ20代後半には不向きです。紹介される求人は、育成を前提としたポテンシャル採用が中心となります。
【目的・タイプ別】20代におすすめの転職サイト・エージェント
総合ランキングでご紹介したサービスを、今度はあなたの目的やタイプ別に分類してご紹介します。自分の状況に最も近い項目を参考に、どのサービスから使い始めるべきか検討してみましょう。
20代前半・第二新卒向け
20代前半や第二新卒(一般的に新卒入社後3年以内に離職した人)の転職では、実績やスキルよりも、ポテンシャル(将来性)、学習意欲、人柄などが重視される傾向にあります。 そのため、未経験者歓迎の求人を多く扱っていたり、若手向けのサポートが手厚いサービスを選ぶのが成功の鍵です。
- マイナビエージェント: 20代・第二新卒の支援実績が豊富。丁寧なカウンセリングで、初めての転職でも安心。
- ハタラクティブ: フリーターや既卒者にも対応。ビジネスマナーから教えてくれるほど手厚いサポートが魅力。
- 就職Shop: 書類選考なしで面接に進める。経歴に自信がなくても、人物重視の企業と出会える。
- いい就職ドットコム: 第二新卒・既卒に特化。研修制度が充実した企業の正社員求人が中心。
これらのサービスは、あなたの強みや可能性を一緒に見つけ出し、自信を持って面接に臨めるようにサポートしてくれます。「社会人経験が短いから…」と臆することなく、まずは相談してみることをおすすめします。
20代後半向け
20代後半になると、これまでの実務経験や培ってきたスキルが評価されるようになります。 ポテンシャルに加えて、「即戦力」としての期待も高まるため、キャリアアップや年収アップを実現しやすい時期でもあります。幅広い選択肢を持つ総合型エージェントや、専門性を活かせるサービスがおすすめです。
- リクルートエージェント: 圧倒的な求人数で、キャリアアップの選択肢が豊富。実績に基づいた的確なアドバイスが期待できる。
- doda: 豊富な求人に加え、自分の市場価値を測れる診断ツールが充実。主体的にキャリアを考えたい人に。
- ビズリーチ: 現年収が500万円以上ならぜひ登録したい。思わぬ優良企業からスカウトが届き、キャリアの可能性が広がる。
- JACリクルートメント: 専門性や語学力を活かして、さらなる高みを目指すなら。質の高いコンサルティングが魅力。
この時期の転職は、30代以降のキャリアを大きく左右します。これまでの経験を棚卸しし、どのような専門性を武器にしていきたいのかを明確にした上で、サービスを活用しましょう。
未経験から挑戦したい人向け
「今の仕事とは全く違う業界や職種にチャレンジしたい」という想いを持つ20代は少なくありません。20代はポテンシャルが評価されるため、未経験からのキャリアチェンジが可能な最後のチャンスとも言えます。未経験者歓迎の求人を専門的に扱うサービスや、研修制度が充実している企業を紹介してくれるエージェントを選びましょう。
- ハタラクティブ: まさに未経験からの正社員就職に特化したサービス。カウンセリングが非常に丁寧。
- 就職Shop: 書類選考がないため、未経験でも意欲や人柄をアピールするチャンスがある。
- マイナビエージェント: 第二新卒向けの未経験求人も多く扱う。ポテンシャルを評価してくれる企業と出会いやすい。
- リクルートエージェント: 求人数が多いため、未経験者を受け入れている求人の母数も多い。異業種転職の実績も豊富。
未経験からの転職では、「なぜこの業界・職種に挑戦したいのか」という熱意と、そのために行っている努力(独学での勉強など)を具体的に示すことが重要です。
女性向け
女性のキャリアは、結婚や出産などのライフイベントによって大きく変化する可能性があります。そのため、長期的な視点でキャリアプランを相談でき、ワークライフバランスを考慮した求人を紹介してくれるサービスがおすすめです。
- パソナキャリア: 女性の転職支援に定評あり。産休・育休制度や時短勤務の実績がある企業の求人が豊富。
- type転職エージェント: 女性向けのキャリアイベントを頻繁に開催。同じ悩みを持つ仲間と情報交換できる場も。
- マイナビエージェント: 女性のキャリアアドバイザーも多く、親身なサポートが受けやすい。
- リクルートエージェント: 女性の転職特集ページなどもあり、多様な働き方に対応した求人を探しやすい。
「長く働き続けたい」「キャリアと家庭を両立したい」といった希望を正直に伝えることが、満足のいく転職に繋がります。
ハイクラス・キャリアアップを目指す人向け
20代後半で一定の実績を積み、さらなる年収アップや責任あるポジションを目指すなら、ハイクラス向けのサービスが必須です。一般には公開されていない、経営層に近いポジションや専門職の求人に出会うことができます。
- ビズリーチ: ハイクラス転職の代名詞。登録してスカウトを待つだけで、自分の市場価値が分かる。
- JACリクルートメント: 外資系・グローバル企業への転職に圧倒的な強み。年収800万円以上の求人が多数。
- キャリアカーバー: リクルート運営のハイクラスサービス。ビズリーチと併用することで、機会損失を防ぐ。
- アサイン: 20代・30代の若手ハイエンド層に特化。長期的なキャリア戦略を重視する人におすすめ。
これらのサービスを利用するには、これまでのキャリアで何を成し遂げてきたのかを具体的に示す職務経歴書が不可欠です。実績を数値で示すなど、客観的に評価される工夫をしましょう。
IT・Web業界に転職したい人向け
成長著しいIT・Web業界は、20代の若手人材を積極的に採用しています。専門性が高い業界のため、業界の動向や技術に詳しい特化型のサービスを利用するのが最も効率的です。
- Green: IT・Web業界特化型。カジュアルな面談から始められ、企業の雰囲気を掴みやすい。
- type転職エージェント: 首都圏のITエンジニア、Webクリエイターの求人に強い。年収交渉力も魅力。
- Wantedly: スタートアップやベンチャー企業の求人が中心。ビジョン共感型のマッチング。
- リクルートエージェント: 総合型ながらIT専門チームがあり、求人数も豊富。大手からベンチャーまで幅広くカバー。
IT・Web業界は技術の進化が速いため、常に学び続ける姿勢が求められます。ポートフォリオサイトを作成するなど、自主的な学習意欲をアピールすることが重要です。
転職サイトと転職エージェントの違い
転職活動を始めるにあたり、多くの人が「転職サイト」と「転職エージェント」という言葉を耳にします。これらは似ているようで、サービス内容や活用方法は大きく異なります。それぞれの違いを正しく理解し、自分に合った方法を選ぶことが、転職成功への第一歩です。
項目 | 転職サイト | 転職エージェント |
---|---|---|
サービス内容 | 求人情報の検索・閲覧、直接応募 | キャリア相談、求人紹介、選考対策、条件交渉代行 |
主体 | 自分 | キャリアアドバイザー |
求人 | 公開求人が中心 | 非公開求人が多い |
メリット | ・自分のペースで進められる ・多くの求人を自由に閲覧できる ・企業と直接やり取りできる |
・手厚いサポートが受けられる ・非公開求人に出会える ・客観的なアドバイスがもらえる ・面倒な日程調整や条件交渉を任せられる |
デメリット | ・全ての作業を自分で行う必要がある ・客観的な視点が得にくい ・非公開求人には応募できない |
・自分のペースで進めにくい場合がある ・担当者との相性に左右される ・紹介される求人に限りがある |
おすすめな人 | ・転職経験があり、自分の軸が明確な人 ・主体的に行動したい人 ・多くの選択肢を自分で見たい人 |
・初めて転職する人 ・キャリア相談をしたい人 ・忙しくて時間がない人 ・非公開求人に興味がある人 |
転職サイトとは
転職サイトは、企業が掲載した求人情報を自分で検索し、興味のある企業に直接応募するサービスです。 例えるなら、求人情報が並んだ巨大な掲示板のようなものです。リクナビNEXTやGreen、Wantedlyなどがこれにあたります。
メリット
最大のメリットは、自分のペースで自由に進められることです。時間や場所を選ばず、膨大な求人情報の中から自分の希望条件に合うものを探し、気になった企業にすぐ応募できます。誰にも急かされることなく、じっくりと比較検討したい人に向いています。また、企業と直接やり取りすることで、会社の雰囲気を直接感じ取れるという利点もあります。
デメリット
一方で、すべてのプロセスを自分一人で行う必要があります。 膨大な求人の中から優良企業を見つけ出す作業、魅力的な応募書類の作成、面接対策、日程調整、そして内定後の給与交渉まで、すべて自己責任です。客観的なアドバイスをもらえる機会が少ないため、独りよがりな転職活動になってしまうリスクもあります。
転職エージェントとは
転職エージェントは、専任のキャリアアドバイザーが転職活動をトータルでサポートしてくれるサービスです。 登録後の面談で、これまでの経験や今後の希望を伝えることで、あなたに合った求人を紹介してくれます。リクルートエージェントやマイナビエージェントなどが代表的です。
メリット
最大のメリットは、プロによる手厚いサポートが無料で受けられることです。キャリアの棚卸しから始まり、強みを引き出す職務経歴書の添削、企業ごとの面接対策など、転職のプロが二人三脚で伴走してくれます。また、一般には公開されていない「非公開求人」を紹介してもらえる可能性が高いのも大きな魅力です。企業との面倒な日程調整や、自分では言いにくい給与などの条件交渉も代行してくれるため、在職中で忙しい人にとっては非常に心強い存在です。
デメリット
自分のペースで進めにくい場合がある点がデメリットとして挙げられます。担当者によっては、希望と少し違う求人を勧められたり、応募を急かされたりするように感じることもあるかもしれません。また、キャリアアドバイザーとの相性が、転職活動の質を大きく左右します。 もし相性が悪いと感じたら、担当者の変更を申し出る勇気も必要です。
結局どっちを使うべき?
どちらか一方だけが優れているというわけではなく、あなたの状況や性格によって最適な選択は異なります。
- 転職サイトがおすすめな人
- 行きたい業界や職種が明確に決まっている
- 転職経験があり、活動の進め方を理解している
- 自分のペースで、多くの企業を比較検討したい
- 他人からアドバイスされるのがあまり好きではない
- 転職エージェントがおすすめな人
- 初めての転職で、何から始めればいいか分からない
- 自分のキャリアの方向性に悩んでいる
- 客観的な意見やプロのアドバイスが欲しい
- 在職中で忙しく、効率的に転職活動を進めたい
- 非公開の優良求人に応募したい
迷ったら両方に登録するのがおすすめ
「自分はどっちのタイプか分からない」「どちらのメリットも捨てがたい」と感じる方も多いでしょう。そのような場合に最もおすすめなのが、転職サイトと転職エージェントの両方に登録し、併用することです。
両方に登録することで、以下のようなメリットがあります。
- 情報の網羅性が高まる: エージェントから紹介される求人と、サイトで自分で見つける求人の両方にアクセスでき、機会損失を防げます。
- 多角的な視点が得られる: エージェントからの客観的なアドバイスを参考にしつつ、サイトで自分の興味のある求人も探すことで、より納得感のある企業選びができます。
- リスクヘッジになる: 万が一、担当エージェントとの相性が合わなくても、転職サイトで自走できるため、活動がストップする心配がありません。
- 活動のスピードを調整できる: 積極的に動きたい時はサイトを使い、じっくり相談したい時はエージェントを使うなど、状況に応じた使い分けが可能です。
具体的には、「リクルートエージェント」と「マイナビエージェント」のような大手総合型エージェントに1〜2社登録してサポートを受けつつ、「リクナビNEXT」でスカウト機能を活用しながら自分で求人を探す、という組み合わせが、20代の転職活動における王道パターンと言えるでしょう。
失敗しない!20代の転職サイトの選び方7つのポイント
数ある転職サービスの中から、自分に最適なものを見つけ出すことは、転職成功の確率を大きく左右します。ここでは、20代のあなたが転職サイト・エージェントを選ぶ際に、絶対に押さえておきたい7つのポイントを解説します。
① 総合型か特化型かで選ぶ
転職サービスは、大きく「総合型」と「特化型」の2種類に分けられます。
- 総合型: あらゆる業界・職種・地域の求人を幅広く扱うタイプ。リクルートエージェントやdodaが代表例です。
- メリット: 求人数が多く、多様な選択肢から検討できる。キャリアの方向性が定まっていない人でも、新たな可能性を見つけやすい。
- デメリット: 専門性が高い領域では、特化型に比べて情報が浅くなる可能性がある。
- 特化型: 特定の業界(IT・Web、医療など)、職種(営業、エンジニアなど)、層(ハイクラス、第二新卒など)に特化したタイプ。GreenやJACリクルートメントがこれにあたります。
- メリット: 専門的な知識を持つアドバイザーから、質の高い情報やアドバイスが得られる。業界特有の非公開求人が多い。
- デメリット: 求人の範囲が限定されるため、他の業界・職種へのキャリアチェンジには不向き。
まずは総合型に登録して幅広い選択肢を確保し、その上で希望する業界が明確であれば特化型を併用するのが、最もバランスの取れた戦略です。
② 求人数の多さで選ぶ
求人数の多さは、選択肢の広さに直結します。 特に、キャリアの方向性がまだ固まっていない20代前半の方や、地方での転職を希望する方にとっては、求人数の多さは非常に重要な指標となります。
公開求人数だけでなく、そのサービスだけが扱う「非公開求人」や「独占求人」の数にも注目しましょう。非公開求人には、企業の重要なポジションや、競合に知られたくない新規事業の求人などが含まれていることが多く、思わぬ優良企業との出会いに繋がります。求人数の多さでは、やはり業界最大手のリクルートエージェントやdodaが群を抜いています。
③ 20代向けの求人が多いか確認する
総合的な求人数が多くても、その中身が30代・40代向けの管理職求人ばかりでは意味がありません。サービス全体の求人の中で、20代を対象とした求人や、第二新卒・未経験者歓迎の求人がどれくらいの割合を占めるかを確認しましょう。
各サービスの公式サイトには、「20代の転職特集」や「第二新卒向け」といった特設ページが設けられていることが多いです。また、マイナビエージェントやハタラクティブのように、明確に20代・若手層をメインターゲットとして謳っているサービスは、安心して利用できます。
④ 希望する業界・職種の求人があるかで選ぶ
もし、あなたが「IT業界でエンジニアになりたい」「メーカーで営業職に就きたい」といった具体的な希望を持っているなら、その業界・職種の求人を豊富に扱っているか、専門のサポート体制があるかをチェックすることが不可欠です。
総合型エージェントでも、サイト内で「IT専門チーム」「メーカー専門チーム」のように、業界別の専任コンサルタントを配置している場合があります。このような体制があれば、総合型であっても専門的なサポートが期待できます。もちろん、Green(IT・Web)やtype転職エージェント(IT・営業)のような特化型サービスを利用するのが最も確実な方法です。
⑤ サポートの手厚さで選ぶ
特に初めて転職する20代にとって、サポートの手厚さは極めて重要です。具体的には、以下の点を確認しましょう。
- キャリアカウンセリングの質: あなたの話を親身に聞き、強みや価値観を引き出してくれるか。
- 書類添削: 応募する企業に合わせて、職務経歴書をブラッシュアップしてくれるか。
- 面接対策: 想定問答集の作成や模擬面接など、実践的な対策をしてくれるか。
- レスポンスの速さ: 連絡がスムーズで、不安な時にすぐ相談できるか。
サポートの質は、担当するキャリアアドバイザー個人のスキルや相性にも左右されます。こればかりは実際に利用してみないと分かりませんが、パソナキャリアやマイナビエージェントは、利用者からのサポート満足度が特に高いことで知られています。
⑥ スカウト機能の有無で選ぶ
スカウト機能は、自分の職務経歴書などを登録しておくと、興味を持った企業やヘッドハンターから直接オファーが届く仕組みです。ビズリーチやリクナビNEXTの「オファー機能」が代表的です。
スカウト機能には、「自分の市場価値を客観的に測れる」「自分では探せなかった優良企業と出会える」「効率的に転職活動が進められる」といった大きなメリットがあります。忙しい在職中の転職活動では、非常に有効なツールとなりますので、スカウト機能が充実しているサービスを一つは登録しておくことを強くおすすめします。
⑦ 複数のサービスに登録して比較する
ここまでに挙げたポイントをすべてクリアする完璧なサービスは存在しません。 だからこそ、最も重要なのが「複数のサービスに登録して比較する」ことです。
目安として、転職エージェントを2〜3社、転職サイトを1〜2社登録するのが理想的です。
複数のサービスを利用することで、
- 各社の独占求人をカバーでき、機会損失を防げる
- 複数のキャリアアドバイザーから意見を聞き、多角的な視点を持てる
- 自分と最も相性の良い担当者やサービスを見つけられる
- 各社の強みを理解し、状況に応じて使い分けられる
といったメリットがあります。登録は無料ですので、手間を惜しまずに複数の選択肢を持つことが、結果的に転職成功への近道となります。
20代の転職市場のリアルな実情
転職活動を成功させるためには、自分自身の希望を明確にすると同時に、企業側が20代の候補者に何を求めているのか、つまり「転職市場のリアル」を理解しておくことが不可欠です。ここでは、採用する側の視点と、20代の転職理由の実態について解説します。
企業が20代に求めること
企業が20代の若手人材を採用する際、その期待値は20代前半と後半で大きく異なります。この違いを理解することが、効果的な自己PRに繋がります。
20代前半はポテンシャルや人柄
第二新卒を含む20代前半の採用では、企業は即戦力としてのスキルや経験よりも、将来の成長可能性、つまり「ポテンシャル」を重視します。 具体的には、以下のような点が評価されます。
- 素直さ・学習意欲: 新しい知識やスキルを素直に吸収し、積極的に学ぼうとする姿勢。前職のやり方に固執せず、新しい環境に柔軟に対応できるか。
- 熱意・志望度の高さ: 「なぜこの会社で働きたいのか」「入社して何を成し遂げたいのか」という強い熱意。
- 人柄・コミュニケーション能力: 既存の社員と良好な関係を築き、チームの一員として貢献できるか。
- 基礎的な社会人スキル: ビジネスマナーや報告・連絡・相談といった、社会人としての基本的な振る舞い。
たとえ実務経験が浅くても、「この若者は、うちの会社で育てれば大きく成長してくれそうだ」と採用担当者に感じさせることができれば、内定の可能性は高まります。これまでの経験そのものよりも、その経験から何を学び、次にどう活かそうと考えているかを語ることが重要です。
20代後半は経験や専門性
20代後半になると、ポテンシャルに加えて、これまでに培ってきた実務経験や専門性が問われるようになります。 いわば、「ポテンシャル」と「即戦力性」の両方が求められるステージです。
- 実務経験・専門スキル: 担当してきた業務内容や、そこで得た具体的なスキル。特に、応募職種と関連性の高い経験は強力なアピールポイントになります。
- 再現性のある実績: 「売上を〇%向上させた」「コストを〇円削減した」など、具体的な数値を用いて語れる実績。その実績を、入社後も再現できるかどうかが評価されます。
- 主体性・リーダーシップ: 指示を待つだけでなく、自ら課題を発見し、解決に向けて行動した経験。後輩の指導経験なども評価の対象となります。
- キャリアの一貫性: これまでのキャリアに一貫した軸があるか。なぜこのタイミングで転職し、この会社で何を実現したいのかを論理的に説明できるか。
20代前半のような「やる気」だけでは通用しにくくなります。自分の経験を客観的に棚卸しし、「自分は〇〇のプロフェッショナルとして、貴社にこう貢献できます」と明確に提示できるかどうかが、成否を分けるポイントです。
20代の転職でよくある理由
20代が転職を決意する理由は人それぞれですが、いくつかの共通した傾向が見られます。厚生労働省の雇用動向調査などを参考にすると、以下のような理由が上位に挙げられます。(参照:厚生労働省 令和4年上半期雇用動向調査結果の概況)
【ネガティブな理由(本音)】
- 給与・待遇への不満: 「給与が低い」「残業代が出ない」「評価制度が不透明」など。
- 労働時間・休日への不満: 「残業が多い」「休日出勤がある」「有給が取れない」など。
- 人間関係: 「上司や同僚と合わない」「社内の雰囲気が悪い」「ハラスメントがある」など。
- 仕事内容への不満: 「仕事が面白くない」「やりがいを感じない」「成長実感がない」など。
【ポジティブな理由(建前としても使われる)】
- キャリアアップ・スキルアップ: 「より専門的なスキルを身につけたい」「責任のある仕事に挑戦したい」など。
- 新しい業界・職種への挑戦: 「将来性のある業界で働きたい」「興味のある分野にチャレンジしたい」など。
- 企業文化や理念への共感: 「〇〇という理念に共感した」「より社会貢献性の高い仕事がしたい」など。
重要なのは、たとえ本音がネガティブな理由であっても、それをそのまま伝えるべきではないということです。 採用担当者は、不満ばかりを口にする他責思考の人材を敬遠します。面接では、ネガティブな事実を認めつつも、それを未来志向のポジティブな動機に変換して伝える工夫が不可欠です。「給与が低いから辞めたい」ではなく、「成果が正当に評価される環境で、より高い目標に挑戦したい」といった具合です。この「ポジティブ変換」については、後の章で詳しく解説します。
20代の転職を成功させるための6つのコツ
転職サイトに登録しただけでは、理想のキャリアは手に入りません。ここでは、20代の転職活動を成功に導くために、絶対に押さえておくべき6つの具体的なコツをご紹介します。
① 自己分析で強みとキャリアの方向性を明確にする
転職活動の成功は、自己分析の深さで決まると言っても過言ではありません。 なぜなら、自分自身のことを深く理解していなければ、自分に合う企業を見つけることも、面接で自分を魅力的にアピールすることもできないからです。
自己分析では、以下の3つの視点でこれまでの経験を振り返ってみましょう。
- Can(できること): これまでの仕事やプライベートで培ってきたスキル、知識、実績は何か。
- Will(やりたいこと): 将来どんな仕事がしたいか、どんなキャリアを築きたいか、何にやりがいを感じるか。
- Must(すべきこと・価値観): 仕事選びにおいて譲れない条件は何か(給与、勤務地、働き方、企業文化など)。
これらの要素を書き出し、整理することで、自分の強みや価値観、そして進むべきキャリアの方向性が明確になります。この軸が定まることで、企業選びで迷わなくなり、応募書類や面接での発言にも一貫性が生まれます。
② 転職理由をポジティブに伝える準備をする
面接で必ず聞かれる質問が「転職理由」です。前述の通り、たとえ本音がネガティブな理由であっても、それをそのまま伝えるのは得策ではありません。重要なのは、過去への不満ではなく、未来への希望を語ることです。
この「ポジティブ変換」の技術を身につけましょう。
- (例1)「給与が低くて不満だった」
- → 「年齢や社歴に関わらず、成果を正当に評価していただける環境で、自身の市場価値を高めていきたいと考えています。」
- (例2)「残業が多くて嫌だった」
- → 「メリハリをつけて効率的に働き、プライベートの時間も自己投資に充てることで、継続的に成長していきたいと考えています。」
- (例3)「仕事が単調でつまらなかった」
- → 「より裁量権のある環境で、自ら課題を発見し、主体的に仕事を進めることで、事業の成長に貢献したいです。」
嘘をつく必要はありません。事実を認めつつ、その経験から何を学び、次にどうしたいのかという前向きな姿勢を示すことが大切です。
③ 企業研究を徹底的に行う
「なぜ、他の会社ではなくうちの会社なのですか?」という質問に、自信を持って答えられますか? この質問に説得力のある回答をするためには、徹底的な企業研究が不可欠です。
企業のホームページや採用サイトをチェックするのはもちろんのこと、以下の点まで踏み込んで調べましょう。
- 事業内容・ビジネスモデル: 何を、誰に、どのように提供して利益を上げているのか。
- 競合他社との違い・強み: 業界内での立ち位置や、独自の強みは何か。
- 中期経営計画・将来のビジョン: 会社が今後どこへ向かおうとしているのか。
- 社員インタビューやブログ: 実際に働いている人の声や、社内の雰囲気。
- ニュースリリースやメディア掲載記事: 最近の動向や社会的な評価。
深く企業を理解することで、志望動機に深みが増し、入社後のミスマッチも防ぐことができます。また、企業研究を通じて生まれた疑問点は、面接での「逆質問」として活用できます。
④ 応募書類(履歴書・職務経歴書)を丁寧に作成する
履歴書や職務経歴書は、あなたという商品を企業に売り込むための「企画書」です。採用担当者は毎日何十通もの応募書類に目を通しているため、パッと見て魅力が伝わるように、分かりやすく丁寧に作成することが重要です。
- 職務経歴書は「編年体」と「キャリア式」を使い分ける: 時系列で経歴を記す「編年体」が一般的ですが、アピールしたいスキルが明確な場合は、スキルごとに実績をまとめる「キャリア式」も有効です。
- 実績は具体的な「数字」で示す: 「売上向上に貢献しました」ではなく、「担当エリアの売上を前年比120%に向上させました」のように、具体的な数字を入れることで説得力が格段に増します。
- 応募企業に合わせて内容をカスタマイズする: 全ての企業に同じ書類を送るのではなく、企業の求める人物像に合わせて、アピールする経験やスキルの順序、表現を微調整しましょう。
- 誤字脱字は厳禁: 細かいミスは「仕事が雑な人」という印象を与えかねません。提出前に必ず複数回読み返し、可能であれば第三者にもチェックしてもらいましょう。
転職エージェントを利用すれば、プロの視点で添削してもらえるため、書類の完成度を大きく高めることができます。
⑤ 面接対策をしっかり行う
書類選考を通過したら、次はいよいよ面接です。面接は、企業があなたを見極める場であると同時に、あなたが企業を見極める場でもあります。 万全の準備で臨みましょう。
- 頻出質問への回答を準備する: 「自己紹介」「強み・弱み」「転職理由」「志望動機」「ガクチカ(学生時代の経験)ならぬ“シゴチカ(仕事で力を入れたこと)”」「今後のキャリアプラン」など、定番の質問にはスラスラ答えられるように準備しておきます。
- 「結論ファースト」で話す: まず結論を述べ、その後に理由や具体的なエピソードを説明する「PREP法」を意識すると、話が分かりやすくなります。
- 模擬面接を行う: 友人や家族、あるいは転職エージェントに協力してもらい、実際に声に出して話す練習をしましょう。自分の話し方の癖や、緊張した時の様子を客観的に知ることができます。
- 質の高い「逆質問」を用意する: 「何か質問はありますか?」と聞かれた際に、「特にありません」と答えるのはNGです。企業研究に基づいて、入社意欲の高さを示すような質問を3〜5個用意しておきましょう。
⑥ 在職中に転職活動を進める
経済的な安定と精神的な余裕を保つためにも、可能な限り、現在の会社に在籍しながら転職活動を進めることを強くおすすめします。
離職してから活動を始めると、「早く決めなければ」という焦りから、不本意な企業に妥協して入社してしまうリスクが高まります。在職中であれば、収入が途絶える心配がないため、腰を据えてじっくりと企業選びができます。
ただし、在職中の転職活動には注意も必要です。会社のPCで転職サイトを閲覧したり、業務時間中に私用の電話に出たりするのは絶対にやめましょう。情報漏洩のリスクを避けるため、転職サイトに登録する際は、現在の職場をブロックする機能を必ず利用してください。計画的に有給休暇を取得するなど、周囲に迷惑をかけない配慮も大切です。
転職活動の始め方から入社までの7ステップ
いざ転職を決意しても、何から手をつけて、どのような流れで進んでいくのか分からず、不安に思う方も多いでしょう。ここでは、転職活動の開始から新しい会社への入社まで、全体の流れを7つのステップに分けて具体的に解説します。
① 自己分析とキャリアの棚卸し
すべての土台となる最初のステップです。 前の章でも触れましたが、まずは静かな時間を作り、自分自身と向き合いましょう。
- これまで何をやってきたか(経験の棚卸し): どんな業務を担当し、どんな役割を果たしてきたか。
- 何ができるようになったか(スキルの棚卸し): 専門スキル、ポータブルスキル(コミュニケーション能力など)は何か。
- 何にやりがいを感じ、何を避けたいか(価値観の明確化): 自分のモチベーションの源泉は何か。
- 将来どうなりたいか(キャリアプランの策定): 短期的、中長期的な目標は何か。
ノートやPCに書き出していくことで、頭の中が整理され、転職の「軸」が定まります。
② 転職サイト・エージェントに登録
自己分析で定まった「軸」を基に、自分に合った転職サービスに登録します。前述の通り、転職エージェント2〜3社、転職サイト1〜2社に登録するのがおすすめです。
登録作業は1社あたり10〜15分程度で完了します。職務経歴などを詳細に入力しておくほど、質の高い求人紹介やスカウトに繋がります。エージェントに登録した場合は、後日キャリアアドバイザーとの面談(電話やWebが主流)が行われます。この面談で、自己分析した内容を正直に伝えましょう。
③ 応募書類の作成
キャリアアドバイザーのアドバイスを受けながら、あるいは自分で推敲しながら、履歴書と職務経歴書を作成します。一度作って終わりではなく、応募する企業に合わせて内容を少しずつカスタマイズしていくのがポイントです。
特に職務経歴書は、あなたのプレゼン資料です。採用担当者が読みやすいようにレイアウトを工夫し、具体的なエピソードや数値を盛り込み、あなたの魅力が最大限に伝わるように仕上げましょう。
④ 求人に応募
いよいよ、興味のある求人への応募を開始します。
- 転職サイトの場合: 自分で求人を探し、応募ボタンから直接エントリーします。
- 転職エージェントの場合: キャリアアドバイザーから紹介された求人の中から、応募したいものを伝えます。応募手続きはエージェントが代行してくれます。
やみくもに応募するのではなく、「なぜこの企業に応募するのか」を自分の言葉で説明できる企業に絞りましょう。選考が進んだ際に、一社一社への対策がしやすくなります。
⑤ 面接
書類選考を通過すると、面接の案内が届きます。面接は1〜3回程度行われるのが一般的です。
- 一次面接: 人事担当者や現場の若手〜中堅社員が担当することが多い。基本的な人柄やコミュニケーション能力、志望動機などが見られます。
- 二次面接・最終面接: 現場の責任者や役員が担当。専門スキルや入社意欲、将来性などがより深く問われます。
ステップ3で解説した企業研究や面接対策を十分に行い、自信を持って臨みましょう。服装やマナーなど、基本的な部分で評価を落とさないよう注意も必要です。
⑥ 内定・条件交渉
最終面接に合格すると、企業から「内定」の通知が届きます。内定通知書(または労働条件通知書)を受け取ったら、提示された条件を隅々まで確認しましょう。
- 業務内容
- 給与(基本給、賞与、手当など)
- 勤務地、転勤の有無
- 勤務時間、休日
もし、提示された条件に疑問や交渉したい点があれば、このタイミングで伝えます。特に給与交渉は、内定承諾後には非常に難しくなるため、必ず承諾前に行いましょう。 転職エージェントを利用している場合は、アドバイザーが交渉を代行してくれます。
⑦ 退職交渉・入社準備
内定を承諾し、入社日が決まったら、現在の職場に退職の意向を伝えます。
- 退職の意思表示: 法律上は2週間前で良いとされていますが、会社の就業規則(通常1〜2ヶ月前)に従い、まずは直属の上司に口頭で伝えます。強い引き止めにあう可能性もありますが、感謝の気持ちを伝えつつ、退職の意思が固いことを毅然とした態度で示しましょう。
- 退職願の提出: 上司の承認を得てから、正式に退職願を提出します。
- 業務の引継ぎ: 後任者やチームメンバーに迷惑がかからないよう、責任を持って引継ぎを行います。引継ぎ資料を作成するなど、丁寧な対応を心がけましょう。
退職日までの期間と入社日までの期間を調整し、有給消化や入社準備を進めます。こうして、晴れて新しい会社でのキャリアがスタートします。
20代の転職に関するよくある質問
最後に、20代の転職希望者が抱きがちな、よくある質問とその回答をまとめました。不安や疑問を解消し、自信を持って一歩を踏み出しましょう。
転職回数が多いと不利になりますか?
一概に「不利になる」とは言えませんが、「不利になる可能性はある」というのが正直な答えです。 特に、1年未満の短期間での転職を繰り返している場合は、「忍耐力がない」「またすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を抱かれやすくなります。
しかし、重要なのは回数そのものよりも、それぞれの転職理由に一貫性があり、それをポジティブかつ論理的に説明できるかどうかです。例えば、「営業スキルを磨くためにA社に入社し、次にマーケティングの知識を身につけるためにB社に転職、そしてその両方の経験を活かして、C社で事業開発に挑戦したい」というように、キャリアアップのための明確な目的がある場合は、むしろ計画性があると評価されることもあります。
20代で2〜3回程度の転職であれば、納得感のある説明ができれば大きな問題にはなりにくいでしょう。
スキルや経験に自信がなくても転職できますか?
はい、十分に可能です。 特に20代前半の転職市場では、企業側も候補者に完成されたスキルを求めているわけではありません。それよりも、「学習意欲」「柔軟性」「成長ポテンシャル」といった点を重視しています。
スキルや経験に自信がない場合は、以下の点をアピールしましょう。
- 未経験からでも挑戦したいという強い熱意
- その業界・職種について自主的に勉強していること(資格取得、書籍、Webサイトでの学習など)
- 前職で培ったポータブルスキル(コミュニケーション能力、課題解決能力、PCスキルなど)
また、ハタラクティブや就職Shopのような、未経験者や第二新卒の支援に特化した転職エージェントを活用するのが最も効果的です。ポテンシャルを評価してくれる企業を厳選して紹介してくれます。
転職活動にかかる期間はどのくらいですか?
一般的に、転職活動を開始してから内定を得るまでの期間は、平均して3ヶ月〜6ヶ月程度と言われています。
- 1ヶ月目: 自己分析、情報収集、転職サービスへの登録、書類作成
- 2ヶ月目: 求人応募、書類選考、面接(1〜2社)
- 3ヶ月目: 面接(複数社)、内定、条件交渉
これはあくまで目安であり、在職中か離職中か、応募する業界や職種、個人のスキルによって大きく異なります。在職中の場合は、平日の夜や土日しか時間が取れないため、半年以上かかることも珍しくありません。焦らず、自分のペースでじっくり進めることが大切です。
転職サイトに登録すると会社にバレますか?
適切な設定を行えば、会社にバレるリスクは限りなく低くできます。 多くの転職サイトやスカウトサービスには、「企業ブロック機能」が備わっています。
この機能を使って、現在勤務している会社やそのグループ会社、取引先などを登録しておくことで、それらの企業からはあなたの登録情報が一切閲覧できなくなります。登録時には、この設定を必ず行うようにしましょう。
ただし、SNSで転職活動を匂わせるような投稿をしたり、会社の同僚にうっかり話してしまったりすると、そこから情報が漏れる可能性があります。転職活動は、内定が出て退職交渉を始めるまでは、誰にも知られないように慎重に進めるのが鉄則です。
何社くらい応募するのが一般的ですか?
これも個人差が大きいため一概には言えませんが、一般的には10社〜20社程度応募する人が多いようです。 書類選考の通過率は、平均すると20%〜30%程度、面接の通過率も同様かそれ以下と言われています。つまり、1つの内定を獲得するためには、10社以上の企業に応募する必要がある計算になります。
ただし、大切なのは数ではありません。やみくもに50社、100社と応募しても、一社ごとの企業研究や志望動機の練り込みが浅くなり、結果的にどこからも内定がもらえないという事態に陥りがちです。
まずは「本当に行きたい」と思える企業を5〜10社程度に絞り込み、それぞれに合わせた丁寧な応募書類を作成し、面接対策を行うのがおすすめです。その上で、状況を見ながら応募企業を少しずつ増やしていくのが良いでしょう。転職エージェントに相談すれば、あなたのスキルや経験に合った適切な応募社数についてもアドバイスをもらえます。