20代は、キャリアの基盤を築く非常に重要な時期です。新卒で入社した会社で経験を積む中で、「もっと自分に合う仕事があるのではないか」「将来のためにスキルアップしたい」「労働環境を改善したい」といった思いから、転職を考える方も少なくないでしょう。しかし、初めての転職活動では、何から始めれば良いのか、自分の市場価値はどのくらいなのか、不安や疑問が尽きないものです。

そんな20代の転職活動において、強力な味方となるのが「転職エージェント」です。転職エージェントは、求人紹介だけでなく、キャリア相談から書類添削、面接対策、さらには年収交渉まで、転職活動のあらゆるプロセスを無料でサポートしてくれます。特に、キャリアプランがまだ明確でない20代前半の方や、これまでの経験を活かしてさらなる高みを目指したい20代後半の方にとって、専門的な知見を持つプロのサポートは計り知れない価値があります。

この記事では、20代の転職に転職エージェントがなぜおすすめなのか、その理由から、失敗しないエージェントの選び方、具体的な活用方法までを網羅的に解説します。さらに、2024年の最新情報に基づき、20代におすすめの転職エージェント20社をそれぞれの特徴とともに徹底比較します。

この記事を読めば、あなたに最適な転職エージェントを見つけ、自信を持って転職活動の第一歩を踏み出すことができるでしょう。あなたのキャリアの可能性を最大限に広げるために、ぜひ最後までご覧ください。

20代の転職に転職エージェントがおすすめな理由

キャリア形成の初期段階にある20代にとって、転職は将来を大きく左右する重要な決断です。しかし、社会人経験が浅い、あるいは初めての転職であるため、多くの不安や課題を抱えがちです。こうした20代特有の悩みを解決し、転職活動を成功に導くために、転職エージェントの活用が強く推奨されます。では、なぜ20代の転職に転職エージェントが有効なのでしょうか。その理由を多角的に掘り下げていきましょう。

第一に、キャリアプランの明確化をサポートしてくれる点が挙げられます。20代、特に前半のうちは、「今の仕事が自分に合っていない気はするけれど、具体的にどんな仕事がしたいのか分からない」という方も多いでしょう。転職エージェントのキャリアアドバイザーは、数多くの求職者と向き合ってきたキャリアの専門家です。初回の面談では、これまでの経験やスキルの棚卸しはもちろん、価値観や興味、将来のビジョンについて深くヒアリングしてくれます。この対話を通じて、自分一人では気づけなかった強みや適性、キャリアの方向性が見えてくることがあります。客観的な視点からのアドバイスは、漠然とした悩みを具体的な目標へと変えるきっかけとなるでしょう。

第二に、自分では見つけられない「非公開求人」に出会える可能性が広がります。転職サイトなどで一般に公開されている求人は、全体のほんの一部に過ぎません。多くの企業は、重要なポジションの募集や、応募が殺到するのを避けるために、特定の転職エージェントにのみ求人を依頼する「非公開求人」を活用しています。転職エージェントに登録することで、こうした一般には出回らない優良求人や、自分のスキルや経験にマッチしたニッチな求人を紹介してもらえるチャンスが生まれます。特に、未経験からのチャレンジを歓迎するポテンシャル採用の求人や、将来の幹部候補を求める求人などは、非公開で募集されるケースも少なくありません。

第三に、選考通過率を高めるための手厚いサポートを受けられることです。20代の転職活動では、職務経歴書の書き方に悩む方が非常に多いです。どのような経験を、どうアピールすれば企業の採用担当者に響くのか、そのさじ加減は難しいものです。転職エージェントは、応募する企業が求める人物像を熟知しているため、採用担当者の視点に立った効果的な書類の書き方を具体的に指導してくれます。さらに、面接対策も大きな魅力です。過去の面接データに基づき、よく聞かれる質問や回答のポイント、逆質問の準備などを徹底的にサポート。模擬面接を実施してくれるエージェントも多く、本番前に自信をつけることができます。

第四に、在職中の転職活動における負担を大幅に軽減できる点も見逃せません。働きながらの転職活動は、時間的にも精神的にも大きな負担がかかります。求人探しから企業研究、応募書類の作成、面接の日程調整まで、すべてを一人で行うのは非常に大変です。転職エージェントを利用すれば、面倒な企業とのやり取りやスケジュール調整をすべて代行してくれます。これにより、求職者は現職に集中しながら、転職活動のコアとなる自己分析や企業研究、面接対策といった本質的な部分に時間とエネルギーを注ぐことができます。

最後に、年収などの条件交渉を代行してくれることも大きなメリットです。特に20代の場合、企業に対して年収や待遇の交渉を自分で行うことに抵抗を感じる方が多いかもしれません。しかし、これは入社後のモチベーションや生活に直結する重要な要素です。転職エージェントは、求職者のスキルや経験、市場価値を客観的に評価した上で、本人に代わって企業と交渉を行います。プロが間に入ることで、個人で交渉するよりも良い条件を引き出せる可能性が高まります。

このように、転職エージェントは、キャリアの方向性を見出す羅針盤となり、選考を突破するための強力な武器を提供し、活動全体の負担を軽減してくれる、20代の転職活動における不可欠なパートナーと言えるでしょう。

転職エージェントと転職サイトの違い

転職活動を始める際、多くの人が「転職エージェント」と「転職サイト」という二つの選択肢に直面します。これらはどちらも転職を支援するサービスですが、その仕組みや特徴は大きく異なります。両者の違いを正しく理解し、自分の状況や目的に合わせて使い分けることが、転職成功への近道です。

以下に、転職エージェントと転職サイトの主な違いをまとめました。

比較項目	転職エージェント	転職サイト
サービスの主体	キャリアアドバイザー（人）	求職者自身
サポートの有無	手厚いサポートあり（キャリア相談、求人紹介、書類添削、面接対策、日程調整、条件交渉など）	基本的にサポートはなし（一部、スカウト機能やセミナーなどあり）
求人の探し方	アドバイザーからの紹介がメイン	自分で検索して探す
主な求人	非公開求人・独占求人が多い	公開求人が中心
活動の進め方	アドバイザーと二人三脚で進める	自分のペースで進められる
メリット	・客観的なアドバイスがもらえる ・自分に合う求人を見つけやすい ・選考通過率が上がりやすい ・活動の負担が少ない	・好きな時に自由に活動できる ・多くの求人を閲覧できる ・自分のペースを保てる
デメリット	・担当者との相性に左右される ・自分のペースで進めにくいことがある ・希望と違う求人を紹介されることがある	・すべて自分で行う必要がある ・自己分析や企業選びが難しい ・非公開求人には応募できない
向いている人	・初めて転職する人 ・キャリア相談をしたい人 ・非公開求人に応募したい人 ・在職中で忙しい人	・自分のペースで活動したい人 ・希望する業界・職種が明確な人 ・多くの求人を比較検討したい人

転職エージェントの最大の特徴は、「人」を介した手厚いサポートが受けられる点です。登録後、キャリアアドバイザーとの面談から始まり、あなたの経験や希望を深くヒアリングした上で、最適な求人を提案してくれます。つまり、受け身の姿勢でもある程度の活動が進む「プッシュ型」のサービスと言えます。特に、職務経歴書の添削や模擬面接といった選考対策は、客観的な視点からのフィードバックがもらえるため、独学で行うよりも格段に質が高まります。 また、企業とのやり取りをすべて代行してくれるため、在職中の多忙な中でも効率的に転職活動を進めることが可能です。

一方で、キャリアアドバイザーと二人三脚で進めるため、自分のペースを維持しにくいと感じる場合もあります。担当者からの連絡が頻繁に来たり、時には希望と少し異なる求人を勧められたりすることもあるでしょう。サービスの質が担当者のスキルや相性に依存する点も、留意すべきポイントです。

転職サイトは、求職者が主体となって活動を進める「プル型」のサービスです。膨大な数の求人データベースから、自分の希望する勤務地、職種、年収などの条件で自由に検索し、気になった企業に直接応募します。自分のペースで、好きな時間に情報収集や応募ができる自由度の高さが最大の魅力です。また、多くの求人を一覧で比較検討できるため、市場の動向を掴んだり、様々な企業の選択肢を広く見たりしたい場合に適しています。

しかし、その自由度の高さは、裏を返せば「すべてを自分一人でやらなければならない」ということです。キャリアプランの設計から自己分析、企業研究、書類作成、面接対策まで、すべての工程で自己管理能力が問われます。特に転職経験の少ない20代にとっては、どの求人が自分に本当に合っているのか、自分の経歴をどうアピールすれば良いのかを判断するのが難しい場合があります。

結論として、どちらか一方を選ぶのではなく、両方を併用するのが最も効果的な戦略と言えます。まずは転職サイトで幅広く情報を収集し、市場の全体像や興味のある企業をいくつか見定めます。その上で、転職エージェントに登録し、プロの視点からキャリア相談をしたり、非公開求人を紹介してもらったり、具体的な選考対策のサポートを受けたりするのです。このように、転職サイトで「選択肢を広げ」、転職エージェントで「選択肢を絞り込み、決定力を高める」という使い分けをすることで、より満足度の高い転職を実現できるでしょう。

20代の転職市場の状況

20代の転職市場は、年齢によって企業から期待されることや、求められるものが大きく異なります。自身の年齢が市場でどのように評価されるのかを理解することは、効果的な転職戦略を立てる上で不可欠です。ここでは、20代を前半と後半に分け、それぞれの転職市場の状況と特徴を解説します。

20代前半（第二新卒・未経験）の転職

20代前半（一般的に社会人1〜3年目）の転職は、「ポテンシャル採用」が中心となります。この時期の求職者に対して、企業は現時点での高い専門性や実績よりも、むしろ将来性、学習意欲、柔軟性、そして自社の文化への適応力を重視する傾向が強いです。新卒で入社した会社で基本的なビジネスマナーや仕事の進め方を身につけているため、教育コストを抑えつつ、新しい環境にスムーズに溶け込める人材として高く評価されます。

この年代は、キャリアチェンジに最も適した時期と言えるでしょう。未経験の業界や職種であっても、「若さ」と「ポテンシャル」を武器に挑戦できる求人が豊富に存在します。例えば、営業職からITエンジニアへ、事務職からマーケティング職へといった、大きなキャリアの舵切りも十分に可能です。企業側も、異業種での経験がもたらす新しい視点や発想に期待を寄せています。

厚生労働省が発表している「一般職業紹介状況」によると、若年層を含む労働市場は依然として人手不足の傾向にあり、有効求人倍率は高い水準を維持しています。これは、20代前半の求職者にとって追い風であり、多くの企業が若手人材の採用に意欲的であることを示しています。（参照：厚生労働省 一般職業紹介状況）

ただし、「ポテンシャル採用」だからといって、何も準備しなくて良いわけではありません。なぜキャリアチェンジしたいのか、新しい分野で何を成し遂げたいのか、そのためにどのような努力をしているのか（資格の勉強、独学など）を論理的かつ情熱的に語れることが重要です。短い社会人経験の中でも、困難をどう乗り越えたか、何を学んだかを具体的に示すことで、ポテンシャルの高さをアピールできます。第二新卒や未経験者の支援に強い転職エージェントを活用し、自己分析を深め、熱意を伝えるための効果的なストーリーを構築することが成功の鍵となります。

20代後半（キャリアアップ）の転職

20代後半（一般的に社会人4年目以降）になると、転職市場での評価軸は「ポテンシャル」に加えて「経験・スキル」の比重が大きくなります。 この時期には、これまで培ってきた業務経験や専門知識を活かし、より高い専門性、より良い待遇、より大きな裁量を求めて転職する「キャリアアップ転職」が主流となります。

企業側は、20代後半の求職者に対して「即戦力」としての活躍を期待します。そのため、応募する職種と関連性の高い実績やスキルを具体的に示すことが不可欠です。例えば、「法人営業として、3年間で売上目標を120%達成し続けた」「Webマーケターとして、広告運用によりCPAを30%改善した」といった定量的な実績は、非常に強力なアピール材料となります。また、小規模なチームでもリーダー経験があれば、マネジメントの素養として評価されることもあります。

この年代の転職では、自身の市場価値を正確に把握することが極めて重要です。同じ業界・職種であっても、企業規模や事業内容によって求められるスキルレベルや年収相場は異なります。自身の経験がどのくらいの価値を持つのかを知らないまま転職活動を進めると、不当に低い条件で妥協してしまったり、逆に高望みしすぎて機会を逃してしまったりする可能性があります。

そこで役立つのが、転職エージェントです。特に、特定の業界や職種に特化したエージェントや、ハイクラス向けのエージェントは、豊富なデータと知見に基づき、あなたの適正な市場価値を算出してくれます。その上で、年収アップや役職付きのポジションなど、キャリアアップにつながる求人を厳選して紹介してくれます。20代後半の転職は、これまでのキャリアの棚卸しと、今後のキャリアプランを戦略的に考える絶好の機会です。専門家の力を借りながら、自身の価値を最大化できる道筋を描いていくことが求められます。

失敗しない！20代向け転職エージェントの選び方5つのポイント

転職エージェントは数多く存在し、それぞれに特徴や強みがあります。自分に合わないエージェントを選んでしまうと、転職活動がスムーズに進まないばかりか、貴重な時間を無駄にしてしまう可能性もあります。ここでは、20代のあなたが転職エージェント選びで失敗しないための5つの重要なポイントを解説します。

① 総合型か特化型かを確認する

転職エージェントは、大きく「総合型」と「特化型」の2種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、自分の状況に合ったタイプを選ぶことが最初のステップです。

種類	総合型エージェント	特化型エージェント
特徴	幅広い業界・職種の求人を扱う	特定の業界・職種・年代に特化
求人数	非常に多い	比較的少ないが専門性が高い
アドバイザー	幅広い知識を持つ	業界の専門知識が豊富
メリット	・多様な選択肢から検討できる ・思わぬ求人に出会える可能性がある ・キャリアの方向性が未定でも相談しやすい	・専門的なアドバイスがもらえる ・業界の深い情報が得られる ・希望が明確な場合、効率が良い
デメリット	・担当者によっては業界知識が浅い場合がある ・専門性の高い相談には不向きなことがある	・求人の選択肢が限られる ・希望と合わないと紹介される求人がない

【総合型】幅広い求人から探したい人向け

総合型エージェントは、業界や職種を問わず、多種多様な求人を保有しているのが最大の特徴です。「まだ具体的にやりたいことが決まっていない」「色々な可能性を検討したい」という20代前半の方や、初めて転職する方には特におすすめです。キャリアアドバイザーとの面談を通じて、自分では思いもよらなかった業界や職種への適性が見つかることもあります。まずは総合型エージェントに登録し、市場の全体像を掴むことから始めると良いでしょう。

【特化型】特定の業界・職種を目指す人向け

特化型エージェントは、IT・Web、医療、金融、アパレルといった特定の業界や、営業、エンジニア、デザイナーなどの特定の職種に専門特化しています。「ITエンジニアとしてキャリアアップしたい」「未経験からWebマーケターに挑戦したい」など、進みたい方向性が明確な方にとっては、非常に心強い存在です。特化型エージェントのアドバイザーは、その業界の出身者であることも多く、業界の動向や企業文化、求められるスキルセットに関する深い知識を持っています。専門的なキャリア相談や、より的確な求人紹介が期待できます。

② 求人数の多さと質をチェックする

選択肢の広さは、理想の転職先を見つける上で重要な要素です。保有している求人の総数、特に一般には公開されていない「非公開求人」の数は、エージェントの規模や企業とのパイプの太さを示す指標となります。大手総合型エージェントは、やはり求人数で他を圧倒する傾向にあります。

しかし、単に数が多ければ良いというわけではありません。「求人の質」も同様に重要です。ここで言う質とは、「あなたの希望やキャリアプランに合致する求人がどれだけあるか」を指します。例えば、ハイクラス転職を目指しているのに、未経験者歓迎の求人ばかり紹介されても意味がありません。エージェントの公式サイトで、どのような業界・職種の求人が多いのか、20代向けの求人実績は豊富かなどを確認しましょう。特に、「20代・第二新卒向け」「未経験歓迎」「キャリアアップ」といったキーワードで強みをアピールしているエージェントは、質の高い求人を期待できる可能性が高いです。

③ サポート体制の手厚さを比較する

転職エージェントの価値は、求人紹介だけではありません。むしろ、転職活動をトータルで支えるサポート体制こそが、エージェントを選ぶ上での決め手となります。以下の点を比較検討してみましょう。

• キャリアカウンセリングの質: あなたの経歴や価値観を深く理解し、的確なキャリアプランを提案してくれるか。
• 書類添削: 応募企業に合わせて、あなたの強みを最大限に引き出す職務経歴書の書き方を指導してくれるか。
• 面接対策: 模擬面接の実施や、企業ごとの過去の質問傾向の共有など、実践的な対策を行ってくれるか。
• レスポンスの速さ: 問い合わせや相談に対する返信が迅速かつ丁寧か。
• 対応時間: 平日の夜間や土日など、在職中でも相談しやすい時間帯に対応してくれるか。

特に初めて転職する20代にとっては、書類添削や面接対策のサポートが手厚いエージェントを選ぶことが、内定獲得の確率を大きく左右します。公式サイトや口コミなどを参考に、サポートの手厚さに定評のあるエージェントを選びましょう。

④ 自分のキャリアプランに合っているか見極める

あなたの現在の状況や、今後のキャリアプランによって、最適なエージェントは異なります。

• 20代前半・第二新卒・未経験者: この層のサポートに特化したエージェントがおすすめです。「ハタラクティブ」や「UZUZ」、「就職Shop」などは、社会人経験の浅い方や未経験からのキャリアチェンジに強みを持ち、ビジネスマナー研修からサポートしてくれる場合もあります。
• 20代後半・キャリアアップ希望者: これまでの経験を活かして年収やポジションを上げたい場合は、各業界に強い特化型エージェントや、ハイクラス向けのサービスが適しています。「JACリクルートメント」や「ビズリーチ」などが代表例です。
• 特定の業界・職種希望者: IT業界なら「レバテックキャリア」や「Geekly」、女性のキャリア支援なら「type転職エージェント」や「パソナキャリア」など、自分の目指す領域に特化したエージェントを選ぶことで、より専門的な支援が受けられます。

自分の状況を客観的に分析し、そのニーズに最も応えてくれそうなエージェントを選ぶ視点が重要です。

⑤ 担当者との相性も考慮する

最終的に、転職活動を伴走してくれるのは「人」、つまりキャリアアドバイザーです。どれだけ評判の良いエージェントでも、担当者との相性が悪ければ、ストレスを感じたり、的確なサポートを受けられなかったりする可能性があります。

良い担当者の特徴としては、以下のような点が挙げられます。

• あなたの話を親身に聞いてくれる（傾聴力）
• 希望だけでなく、懸念点や市場の客観的な事実も伝えてくれる（誠実さ）
• 業界や企業の情報に詳しい（専門性）
• 連絡が迅速で、約束を守る（信頼性）

初回の面談は、エージェントがあなたを評価する場であると同時に、あなたが担当者を見極める場でもあります。「この人になら本音で相談できそうか」「信頼して任せられるか」という視点で臨みましょう。もし相性が悪いと感じた場合は、遠慮なく担当者の変更を申し出ることも可能です。転職という重要な決断をサポートしてもらうパートナーだからこそ、妥協せずに選ぶことが大切です。

【2024年版】20代におすすめの転職エージェント20選を徹底比較

ここでは、2024年の最新情報に基づき、20代の転職者から高い支持を得ているおすすめの転職エージェントを20社厳選してご紹介します。総合型から特化型まで、それぞれの特徴や強みを比較し、あなたに最適なエージェントを見つける手助けをします。

エージェント名	タイプ	主な特徴	特にこんな人におすすめ
リクルートエージェント	総合型	業界No.1の求人数。全年代・全業界をカバー。	転職を考え始めたすべての人、多くの選択肢を見たい人
doda	総合型	エージェント・サイト・スカウトの3機能が一体化。	自分で探しつつプロのサポートも受けたい人
マイナビエージェント	総合型	20代・第二新卒に強い。中小企業の優良求人も多数。	20代で初めて転職する人、丁寧なサポートを求める人
ハタラクティブ	特化型（若年層）	フリーター・既卒・第二新卒など未経験からの正社員就職に特化。	経歴に自信がない20代、未経験から挑戦したい人
UZUZ	特化型（若年層）	第二新卒・既卒・フリーターに特化。IT分野にも強い。	手厚い個別サポートを希望する人、IT業界に興味がある人
就職Shop	特化型（若年層）	書類選考なしで面接に進める求人が中心。	経歴よりも人柄で勝負したい20代
第二新卒エージェントneo	特化型（若年層）	第二新卒・既卒・高卒・中退者などに特化。	社会人経験が短い、またはない20代
キャリアスタート	特化型（若年層）	第二新卒・既卒専門。徹底した面接対策が特徴。	面接に不安がある人、手厚いサポートを受けたい人
WORKPORT	特化型（IT）	IT・Web・ゲーム業界に強み。未経験者向けスクールも。	IT業界への転職・キャリアチェンジを目指す人
type転職エージェント	総合型/特化型	IT・Web業界、営業職、女性の転職に強い。一都三県中心。	首都圏在住でIT・営業職希望の20代、女性
パソナキャリア	総合型（ハイクラス）	顧客満足度が高い。女性の転職支援、ハイクラス層に定評。	丁寧なサポートと質の高い求人を求める人
ビズリーチ	スカウト型（ハイクラス）	ハイクラス向けスカウトサービス。年収600万円以上が目安。	経験を活かしてキャリアアップしたい20代後半
JACリクルートメント	特化型（ハイクラス）	管理職・専門職、外資系・グローバル企業に強い。	語学力を活かしたい人、ハイクラスを目指す20代後半
リクルートダイレクトスカウト	スカウト型（ハイクラス）	年収800万円以上のハイクラス向けスカウトサービス。	高年収を目指すハイキャリア層
Geekly	特化型（IT）	IT・Web・ゲーム業界専門。マッチング精度が高い。	IT業界でスピーディーな転職をしたい人
レバテックキャリア	特化型（IT）	ITエンジニア・クリエイター専門。専門性の高いアドバイザー。	専門スキルを活かしたいIT技術者
マイナビIT AGENT	特化型（IT）	マイナビ運営のIT特化エージェント。幅広いIT求人を扱う。	IT業界で多様な選択肢を検討したい人
LHH転職エージェント	総合型/特化型	Adeccoグループ。各業界に精通したコンサルタントが在籍。	専門分野で深い相談をしたい人
Spring転職エージェント	総合型/特化型	Adeccoグループ。職種別・業界別専門チーム制が特徴。	職種に特化した専門的なサポートを求める人
いい就職ドットコム	特化型（若年層）	新卒・第二新卒に特化。企業の詳しい情報を提供。	優良な中小・ベンチャー企業を探している若手

① リクルートエージェント

業界最大手の実績と圧倒的な求人数を誇る、転職を考えるならまず登録しておきたいエージェントです。全年代・全業界を網羅しており、20代向けの求人も豊富。特に非公開求人数は公表されているだけでも20万件以上と、他を圧倒しています（2024年5月時点）。豊富な求人の中から最適な選択肢を見つけたい方、転職活動の全体像を掴みたい方におすすめです。（参照：株式会社リクルート リクルートエージェント公式サイト）

② doda

リクルートエージェントと並ぶ業界最大級の総合型転職サービス。「転職サイト」「エージェントサービス」「スカウトサービス」の3つの機能を一つのプラットフォームで利用できるのが最大の特徴です。自分で求人を探しながら、エージェントに相談したり、企業からのスカウトを待ったりと、柔軟な転職活動が可能です。キャリアアドバイザーの提案力にも定評があります。（参照：パーソルキャリア株式会社 doda公式サイト）

③ マイナビエージェント

新卒採用で知名度の高いマイナビが運営する転職エージェント。そのノウハウを活かし、特に20代や第二新卒のサポートに強みを持っています。丁寧で親身なサポートが評判で、初めての転職で不安な方でも安心して相談できます。また、大手だけでなく、独占求人を含む優良な中小企業の求人も多数保有しているのが特徴です。（参照：株式会社マイナビ マイナビエージェント公式サイト）

④ ハタラクティブ

レバレジーズ株式会社が運営する、20代のフリーターや既卒、第二新卒など、社会人経験の浅い層に特化した転職支援サービスです。カウンセリングを重視し、一人ひとりの適性に合った求人を提案。「未経験者歓迎」の求人が8割以上を占め、人柄やポテンシャルを重視する企業の求人が中心です。経歴に自信がない方でも、正社員への道を開く強力なサポートが受けられます。（参照：レバレジーズ株式会社 ハタラクティブ公式サイト）

⑤ UZUZ

第二新卒・既卒・フリーターの就職支援に特化し、特にIT業界への転職支援に強みを持つエージェントです。一人あたりにかけるサポート時間が平均20時間と、非常に手厚い個別指導が特徴。入社後の定着率も9割以上と高く、長期的なキャリア形成を見据えたサポートを行っています。YouTubeチャンネルでの情報発信も積極的です。（参照：株式会社UZUZ UZUZ公式サイト）

⑥ 就職Shop

リクルートが運営する、若者向けの対面相談を重視した転職支援サービスです。最大の特徴は、紹介する企業のすべてに担当者が直接訪問し、職場環境や働く人の様子を取材している点。そして、書類選考なしで面接に進める求人が中心であるため、経歴やスキルに自信がなくても、人柄や意欲で勝負したい20代に最適です。（参照：株式会社リクルート 就職Shop公式サイト）

⑦ 第二新卒エージェントneo

株式会社ネオキャリアが運営する、その名の通り第二新卒の支援に特化したエージェントです。第二新卒だけでなく、既卒、高卒、中退者など、幅広い若年層を対象としています。社会人経験が1年未満でも登録可能で、職務経歴書の書き方から丁寧にサポートしてくれます。若手採用に積極的な企業の求人が豊富です。（参照：株式会社ネオキャリア 第二新卒エージェントneo公式サイト）

⑧ キャリアスタート

こちらも第二新卒・既卒の支援に特化したエージェントです。特に徹底した面接対策に定評があり、求職者の強みを最大限に引き出すためのトレーニングを行っています。転職後のキャリアまで見据えた交流会なども開催しており、入社後も続く手厚いサポートが魅力です。（参照：キャリアスタート株式会社 キャリアスタート公式サイト）

⑨ WORKPORT

IT・Web・ゲーム業界への転職に圧倒的な強みを持つ特化型エージェントです。エンジニアやクリエイターはもちろん、営業やマーケティングなど、同業界内の様々な職種に対応。さらに、無料のエンジニアスクール「みんスク」を運営しており、未経験からIT業界へのキャリアチェンジを目指す20代を手厚くサポートしています。（参照：株式会社ワークポート WORKPORT公式サイト）

⑩ type転職エージェント

株式会社キャリアデザインセンターが運営。特にIT・Web業界、営業職、そして女性の転職支援に強みを持っています。長年の実績から企業との太いパイプを持ち、独占求人も多数。一都三県（東京・神奈川・埼玉・千葉）の求人が中心ですが、その分、首都圏での転職を考える20代には質の高いサポートを提供しています。（参照：株式会社キャリアデザインセンター type転職エージェント公式サイト）

⑪ パソナキャリア

人材派遣大手のパソナグループが運営する転職エージェント。オリコン顧客満足度調査の転職エージェント部門で高い評価を継続して獲得しているなど、サポートの質に定評があります。特に女性のキャリア支援に力を入れており、年収アップ率も高い水準を誇ります。丁寧なカウンセリングと質の高い求人を求める20代におすすめです。（参照：株式会社パソナ パソナキャリア公式サイト）

⑫ ビズリーチ

年収600万円以上のハイクラス層をターゲットとした、国内最大級のスカウト型転職サービスです。登録した職務経歴書を見たヘッドハンターや企業から直接スカウトが届く仕組み。自分の市場価値を知りたい、キャリアアップを目指したい20代後半の方にとって、新たな可能性を発見する場となります。一部有料プランもありますが、無料でも十分に利用可能です。（参照：株式会社ビズリーチ ビズリーチ公式サイト）

⑬ JACリクルートメント

管理職・専門職、いわゆるハイクラス・ミドルクラスの転職支援に特化したエージェントです。特に外資系企業やグローバル企業への転職に強みを持ち、コンサルタントの専門性が非常に高いのが特徴。英文レジュメの添削など、語学力を活かした転職を考える20代後半の方には最適なパートナーとなるでしょう。（参照：株式会社ジェイエイシーリクルートメント JACリクルートメント公式サイト）

⑭ リクルートダイレクトスカウト

リクルートが運営する、年収800万円以上の求人が中心のハイクラス向けスカウトサービスです。ビズリーチと同様に、登録したレジュメに対してヘッドハンターや企業からスカウトが届きます。20代で利用するにはある程度高い実績やスキルが求められますが、ハイキャリアを目指す方にとっては挑戦する価値のあるプラットフォームです。（参照：株式会社リクルート リクルートダイレクトスカウト公式サイト）

⑮ Geekly

IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントで、スピーディーかつマッチング精度の高いサポートが特徴です。独自のノウハウに基づき、求職者のスキルや経験を詳細に分析し、最適な求人を提案。IT業界でのキャリアを追求したい20代にとって、頼りになる存在です。（参照：株式会社Geekly Geekly公式サイト）

⑯ レバテックキャリア

ITエンジニアとクリエイターの転職支援に特化した、業界でも高い知名度を誇るエージェントです。キャリアアドバイザー自身が技術的な知識を深く理解しているため、専門的なスキルやキャリアパスに関する的確なアドバイスが受けられます。技術志向の強い20代エンジニアから絶大な支持を得ています。（参照：レバテック株式会社 レバテックキャリア公式サイト）

⑰ マイナビIT AGENT

マイナビが運営する、IT・Web業界専門の転職エージェントです。大手からベンチャーまで、幅広い企業のIT関連求人を保有。大手ならではのネットワークと、20代支援のノウハウを活かしたサポートが受けられます。IT業界に興味はあるが、どの分野に進むか迷っている方にもおすすめです。（参照：株式会社マイナビ マイナビIT AGENT公式サイト）

⑱ LHH転職エージェント

世界最大級の人材サービス企業であるAdecco Groupの転職支援サービスです（旧Spring転職エージェントの一部門などが統合）。各業界・職種に精通した専門性の高いコンサルタントが、求職者と企業の双方を担当する「360度式コンサルティング」を特徴としています。深いレベルでのキャリア相談をしたい20代に適しています。（参照：アデコ株式会社 LHH転職エージェント公式サイト）

⑲ Spring転職エージェント

こちらもAdecco Groupのサービスで、現在は「LHH転職エージェント」ブランドに統合されつつありますが、一部でサービスが継続されています。職種別の専門チーム制を敷いており、各分野のプロフェッショナルから的確なアドバイスを受けられるのが強みです。

⑳ いい就職ドットコム

ブラッシュアップ・ジャパン株式会社が運営する、既卒・第二新卒向けの就職支援サービスです。「若者キャリア応援プロジェクト」を掲げ、単なる求人紹介に留まらず、企業の詳細な情報提供や各種セミナー開催など、若者のキャリア形成を多角的に支援しています。優良な中小・ベンチャー企業との出会いを求める20代におすすめです。（参照：ブラッシュアップ・ジャパン株式会社 いい就職ドットコム公式サイト）

20代が転職エージェントを利用する5つのメリット

転職エージェントの利用は、特にキャリア形成の初期段階にある20代にとって、計り知れないメリットをもたらします。ここでは、その具体的なメリットを5つの側面に分けて詳しく解説します。

① 非公開求人に出会える可能性がある

転職市場に出回る求人のすべてが、転職サイトなどで誰もが閲覧できるわけではありません。多くの優良企業は、戦略的な理由から求人を「非公開」にし、信頼できる転職エージェントにのみ人材の紹介を依頼しています。

非公開求人が存在する理由には、以下のようなものが挙げられます。

• 重要ポジションの募集: 新規事業の責任者や、将来の幹部候補など、社内外に知られずに採用を進めたい場合。
• 応募の殺到を避けたい: 人気企業や好条件の求人で、応募が殺到し、採用工数が増大するのを防ぐため。
• 競合他社に知られたくない: 事業戦略に関わるポジションの採用を、競合に察知されたくない場合。
• 採用のミスマッチを防ぎたい: エージェントによるスクリーニングを通じて、自社に本当にマッチする人材のみと会いたい場合。

転職エージェントに登録することで、こうした一般には出回らない質の高い求人や、あなたの経歴にピンポイントで合致する求人を紹介してもらえる可能性が生まれます。自分一人で探しているだけでは決して出会えなかった、キャリアの可能性を大きく広げるチャンスがそこにはあります。

② 書類添削や面接対策などのサポートを受けられる

20代の転職活動において、多くの方がつまずきやすいのが「応募書類の作成」と「面接」です。特に職務経歴書は、これまでの経験をどう整理し、企業の求める人物像に合わせてどうアピールするかが問われるため、作成に苦労する方が少なくありません。

転職エージェントは、数多くの転職を成功させてきたプロの視点から、あなたの職務経歴書を添削してくれます。単なる誤字脱字のチェックに留まらず、「この実績はもっと具体的に数字で示すべき」「この経験は、応募企業のこの事業でこう活かせる、とアピールしよう」といった、採用担当者に響くための戦略的なアドバイスを提供してくれます。

また、面接対策も非常に強力なサポートです。キャリアアドバイザーは、担当する企業の社風や事業内容、過去の面接での質問傾向などを熟知しています。それらの情報に基づき、想定される質問への回答の準備や、自己PR・志望動機のブラッシュアップ、さらには模擬面接の実施まで行ってくれます。客観的なフィードバックを受けながら練習を重ねることで、自信を持って本番に臨むことができ、内定獲得の確率を格段に高めることができます。

③ 企業とのやり取りや日程調整を代行してくれる

在職中に転職活動を行う場合、時間の確保が最大の課題となります。日中の業務中に、応募企業からの電話やメールに対応したり、複数の面接日程を調整したりするのは、精神的にも物理的にも大きな負担です。

転職エージェントを利用すれば、こうした面倒な企業とのコミュニケーションをすべて代行してくれます。面接希望日時をいくつか伝えれば、あとはエージェントが企業側と調整し、確定したスケジュールを連絡してくれます。面接後の合否連絡や、次の選考の案内もエージェント経由で行われるため、聞き逃しや対応漏れの心配がありません。

このサポートにより、あなたは現職の仕事に集中しながら、転職活動の最も重要な部分である自己分析や企業研究、面接準備に専念することができます。転職活動の負担を大幅に軽減し、効率的に進めることができるのは、計り知れないメリットです。

④ 自分では難しい年収などの条件交渉を任せられる

内定が出た後、最後にして最大の関門が「条件交渉」です。特に年収は、入社後の生活やモチベーションに直接影響する重要な要素ですが、20代のうちは「企業に対してお金の話をするのは気が引ける」「どのくらいの金額を要求して良いか分からない」と感じる方が多いのではないでしょうか。

転職エージェントは、あなたのスキルや経験、そして転職市場の相場観に基づいて、あなたに代わって企業と条件交渉を行ってくれます。客観的なデータと交渉のプロとしての経験を武器に、論理的に交渉を進めるため、個人で交渉するよりも高い年収や希望の待遇を引き出せる可能性が格段に高まります。

また、内定後のデリケートな交渉をプロに任せられることで、あなたは企業との良好な関係を保ったまま、スムーズに入社プロセスに進むことができます。この心理的な安心感も、エージェントを利用する大きな価値の一つです。

⑤ キャリアの相談や客観的なアドバイスがもらえる

転職は、単に会社を変えるだけでなく、自分のキャリア全体を見つめ直す絶好の機会です。しかし、自分一人で考えていると、視野が狭くなったり、主観的な判断に偏ったりしがちです。

転職エージェントのキャリアアドバイザーは、いわば「キャリアの壁打ち相手」です。これまでの経験を棚卸しする中で、自分では気づかなかった強みや価値を発見してくれたり、漠然とした将来への不安に対して、具体的なキャリアパスの選択肢を提示してくれたりします。

「今の会社で評価されていないと感じるが、自分の市場価値は本当に低いの？」「A業界とB業界、どちらが将来性がある？」「30代で活躍するために、今どんなスキルを身につけるべき？」といった、一人では答えの出ない問いに対して、数多くの事例を見てきたプロの視点から客観的なアドバイスをもらえます。この対話を通じて、自信を持ってキャリアの舵を切ることができるようになります。

知っておきたい！転職エージェントの3つのデメリット

転職エージェントは20代の転職活動において非常に強力なツールですが、メリットばかりではありません。利用する前にデメリットや注意点も理解しておくことで、より賢く、効果的にエージェントを活用できます。

① 担当アドバイザーによってサポートの質に差がある

転職エージェントのサービスは、最終的には「人」であるキャリアアドバイザーを通じて提供されます。そのため、担当者の経験、知識、熱意、そしてあなたとの相性によって、受けられるサポートの質が大きく変わってくるのが最大のデメリットと言えます。

経験豊富で親身なアドバイザーに出会えれば、転職活動は非常にスムーズに進むでしょう。しかし、残念ながら、経験が浅かったり、機械的な対応しかしてくれなかったり、あるいは単に性格的に合わなかったりする担当者にあたる可能性もゼロではありません。例えば、あなたの希望を十分に理解せずに見当違いの求人ばかり紹介してきたり、連絡が遅かったりすると、転職活動のモチベーションが削がれてしまいます。

【対策】
このデメリットへの対策は明確です。まず、初回の面談で「この人は信頼できるか」をしっかりと見極めること。そして、もし「合わない」と感じたら、遠慮なく担当者の変更を申し出ることです。エージェント側も求職者の満足度を重視しているため、変更依頼には基本的に応じてくれます。また、複数のエージェントに登録し、複数のアドバイザーと接点を持つことで、自分に最適な担当者を見つけやすくなり、一人の担当者に依存するリスクを分散できます。

② 自分のペースで転職活動を進めにくい場合がある

転職エージェントは、求職者が転職を成功して初めて企業から成功報酬を得るビジネスモデルです。そのため、アドバイザーによっては、早期の転職決定を促すために、頻繁に連絡をしてきたり、応募を急かしてきたりすることがあります。

「じっくり考えてから決めたい」「まだ転職するかどうか迷っている段階」という方にとっては、このプレッシャーが負担に感じられるかもしれません。「毎週最低2社は応募しましょう」「この求人は人気なので今日中に返事をください」といったプッシュが続くと、焦ってしまい、本意ではない決断をしてしまうリスクもあります。

【対策】
この問題を防ぐためには、自分の希望するペースを最初に明確に伝えることが重要です。「今は情報収集がメインです」「月に2〜3社のペースで、じっくり検討したいです」といった意思をはっきりと示しましょう。それでもペースが合わないと感じる場合は、やはり担当者の変更を検討するか、より自分のペースで進めやすい転職サイトの利用比重を高めるなどの調整が必要です。エージェントのペースに流されるのではなく、あくまで主導権は自分にあるという意識を持つことが大切です。

③ 希望と異なる求人を紹介されることがある

キャリアアドバイザーは、あなたの可能性を広げるために、あえて希望条件から少し外れた求人を提案してくることがあります。これは善意からの提案である場合も多いですが、中にはエージェント側の都合（特定の企業の採用目標を達成したい、など）で、あなたの希望とは明らかに異なる求人を紹介されるケースも残念ながら存在します。

希望していない業界や、明らかにスキルレベルが合わない職種の求人ばかり紹介されると、「自分のことを理解してくれていない」と不信感を抱く原因になります。また、興味のない求人の説明を聞いたり、断ったりする手間も発生します。

【対策】
まず、面談の段階で、希望する条件（MUST条件）と、妥協できる条件（WANT条件）をできるだけ具体的に、そして明確に伝えることが最も重要です。曖昧な伝え方をすると、アドバイザーも提案の的を絞りきれません。そして、紹介された求人が希望と異なる場合は、なぜ興味がないのか、どの点が希望と違うのかを具体的にフィードバックしましょう。これを繰り返すことで、アドバイザーの理解が深まり、徐々に紹介の精度が上がっていきます。興味のない求人に対しては、「今回は見送ります」とはっきりと断る勇気も必要です。

転職エージェント利用の流れ【7ステップ】

転職エージェントの利用は、いくつかの明確なステップに沿って進められます。登録から入社までの全体像を把握しておくことで、各段階で何をすべきかが分かり、スムーズに転職活動を進めることができます。

① 公式サイトから登録

まずは、利用したい転職エージェントの公式サイトにアクセスし、登録フォームに必要な情報を入力します。氏名、連絡先、生年月日といった基本情報に加え、最終学歴や直近の職務経歴などを入力するのが一般的です。多くの場合、5〜10分程度で完了する簡単な作業です。この段階で、詳細な職務経歴書の提出を求められることは少ないですが、事前に準備しておくと後のプロセスがスムーズです。登録が完了すると、通常1週間以内にエージェントから面談日程の調整に関する連絡がメールや電話で入ります。

② キャリアアドバイザーとの面談

次に、担当のキャリアアドバイザーとの面談（キャリアカウンセリング）が行われます。現在はオンライン（Web会議システム）や電話での面談が主流ですが、対面での面談を選択できる場合もあります。所要時間は60分〜90分程度が一般的です。
この面談は、転職活動の方向性を決める非常に重要なステップです。主に以下の内容についてヒアリングされます。

• これまでの職務経歴と実績
• 培ってきたスキルや知識
• 転職を考えた理由
• 希望する業界、職種、勤務地、年収などの条件
• 今後のキャリアプランや価値観
  ここでは正直かつ具体的に話すことが、後の的確な求人紹介につながります。 緊張せずに、自分の想いを伝えましょう。

③ 求人の紹介

面談でヒアリングした内容に基づき、キャリアアドバイザーがあなたにマッチすると判断した求人を紹介してくれます。面談当日にいくつか紹介されることもあれば、後日メールなどで複数提案されることもあります。紹介される求人には、転職サイトにはない非公開求人が含まれていることも少なくありません。それぞれの求人について、仕事内容や企業の社風、求める人物像など、詳しい説明を受けられます。気になる点があれば、積極的に質問しましょう。

④ 応募・書類選考

紹介された求人の中から、興味を持った企業が見つかれば、キャリアアドバイザーに応募の意思を伝えます。すると、エージェントがあなたに代わって企業に応募手続きを行ってくれます。この際、提出する履歴書や職務経歴書について、企業に響くような内容になるよう添削してくれるのが大きなメリットです。アドバイスを元に書類をブラッシュアップし、書類選考の通過率を高めましょう。選考結果もエージェント経由で連絡が来ます。

⑤ 面接対策・面接

書類選考を通過すると、いよいよ面接です。面接の日程調整は、すべてキャリアアドバイザーが代行してくれます。そして、面接本番に備えて、徹底した面接対策のサポートが受けられます。

• 応募企業ごとの過去の質問傾向の共有
• 自己PRや志望動機の深掘り
• 模擬面接の実施とフィードバック
  これらの対策を通じて、自信を持って面接に臨むことができます。面接当日の服装やマナーについてもアドバイスをもらえるので、初めての転職でも安心です。

⑥ 内定・条件交渉

複数回の面接を経て、無事に企業から内定が出ると、その連絡もキャリアアドバイザーから届きます。ここで、入社にあたっての条件（年収、役職、勤務地、入社日など）を確認します。もし、提示された条件に交渉の余地があると感じた場合は、キャリアアドバイザーに相談しましょう。あなたに代わって、企業との間で年収アップなどの条件交渉を行ってくれます。 個人では言い出しにくいことも、プロが間に入ることでスムーズに進められる可能性が高まります。

⑦ 入社準備・退職手続き

すべての条件に合意し、内定を承諾したら、入社に向けた準備が始まります。同時に、現在の会社に対する退職の意向表明や、業務の引き継ぎなど、円満に退職するための手続きも進める必要があります。この円満退社の進め方についても、キャリアアドバイザーが相談に乗ってくれます。 トラブルなくスムーズに次のステップへ進めるよう、最後までサポートしてくれるのが転職エージェントです。

転職エージェントを最大限に活用する5つのコツ

転職エージェントにただ登録するだけでは、その価値を半分しか引き出せません。エージェントを「良きパートナー」として最大限に活用し、転職活動を成功に導くためには、求職者側にもいくつかの心がけが必要です。

① 経歴や希望条件は正直に伝える

キャリアアドバイザーとの最初の面談は、信頼関係を築く上で最も重要な機会です。ここで見栄を張ったり、都合の悪いことを隠したりするのは絶対にやめましょう。例えば、職務経歴を誇張したり、短期離職の事実を隠したりすると、後々必ず矛盾が生じ、信頼を失います。 最悪の場合、内定取り消しにつながる可能性すらあります。

同様に、希望条件も本音で伝えることが大切です。「本当は年収500万円が希望だけど、無理だと思われるのが嫌で450万円と伝えてしまった」というようなことがあると、ミスマッチな求人紹介につながります。転職理由、スキル、経験、希望、そして懸念点など、すべてを正直に、オープンに話すことで、アドバイザーはあなたを深く理解し、最適なサポートを提供できるようになります。

② 複数のエージェントを併用する

転職エージェントは1社に絞る必要はありません。むしろ、2〜3社のエージェントを併用することをおすすめします。 複数のエージェントを併用することには、以下のようなメリットがあります。

• より多くの求人に出会える: 各エージェントは独自の非公開求人や独占求人を持っているため、選択肢が格段に広がります。
• 多角的なアドバイスが得られる: 複数のアドバイザーから意見を聞くことで、キャリアに関する視点が広がり、より客観的な判断ができます。
• 担当者との相性リスクを分散できる: 一つのエージェントの担当者と相性が合わなくても、他のエージェントで良い担当者に出会える可能性が高まります。
• サポート内容を比較できる: 各社のサポート（書類添削の質やレスポンスの速さなど）を比較し、自分に最も合ったエージェントをメインに活用できます。

ただし、あまりに多く登録しすぎると、管理が煩雑になり、各エージェントとの関係が希薄になるデメリットもあります。まずは大手総合型1社と、自分の希望に合った特化型1〜2社から始めてみるのが良いでしょう。

③ 担当者とはこまめに連絡を取る

キャリアアドバイザーは、多くの求職者を同時に担当しています。その中で、より優先的にサポートしてもらうためには、「この人は転職意欲が高い」と認識してもらうことが重要です。そのためには、担当者とこまめに連絡を取ることが効果的です。

• 求人を紹介されたら、なるべく早く目を通し、応募するかどうかの返事をする。
• 応募しない場合も、その理由を具体的に伝える。
• 選考が進んだら、その感想や手応えを報告する。
• 疑問や不安があれば、些細なことでも相談する。

こうした主体的なコミュニケーションを心がけることで、アドバイザーはあなたの状況を正確に把握でき、より質の高いサポートを提供しやすくなります。レスポンスの速さは、あなたの熱意を示すバロメーターになります。

④ 担当者との相性が悪ければ変更を依頼する

前述の通り、担当者との相性は転職活動の成否を左右する重要な要素です。「なんとなく話しにくい」「希望を理解してもらえない」「連絡が遅い」など、少しでも違和感や不満を感じたら、我慢せずに担当者の変更を依頼しましょう。

担当変更を申し出ることは、決して失礼なことではありません。エージェントの公式サイトにある問い合わせフォームや、会社の代表電話などから、「〇〇という理由で、他の方にお願いしたい」と伝えれば、スムーズに対応してくれます。あなたの大切なキャリアを左右するパートナーです。最高のサポートを受けるために、遠慮する必要は一切ありません。

⑤ 主体的に行動し、情報を鵜呑みにしない

転職エージェントは心強いパートナーですが、あなたのキャリアの最終的な決定権は、あなた自身にあります。エージェントに任せきりにするのではなく、常に主体的な姿勢で臨むことが不可欠です。

アドバイザーからの情報を鵜呑みにせず、自分でも企業研究を行いましょう。企業の公式サイトやニュースリリース、口コミサイトなどをチェックし、多角的な視点から企業を評価することが大切です。紹介された求人に対しても、「なぜこの求人を自分に紹介したのか？」を考え、自分のキャリアプランと照らし合わせて判断しましょう。

転職エージェントはあくまで「ツール」であり、「サポーター」です。 そのツールをいかに使いこなし、自分の転職というプロジェクトを成功に導くか。そのプロデューサーは、あなた自身なのです。

20代の転職エージェント利用に関するよくある質問

ここでは、20代の方が転職エージェントを利用する際によく抱く疑問について、Q&A形式で分かりやすくお答えします。

転職エージェントの利用は本当に無料ですか？

はい、求職者側の利用は完全に無料です。
転職エージェントは、紹介した人材が企業に入社した際に、その企業から「成功報酬」として手数料（一般的に、採用者の年収の30〜35%程度）を受け取るビジネスモデルです。そのため、求職者はキャリア相談から求人紹介、面接対策、条件交渉まで、すべてのサービスを無料で利用できます。安心してご活用ください。

複数のエージェントに登録しても問題ありませんか？

はい、全く問題ありません。むしろ推奨されます。
前述の「活用するコツ」でも触れた通り、複数のエージェントに登録することで、より多くの求人情報を得られたり、多角的なアドバイスを受けられたりするメリットがあります。ただし、同じ企業に複数のエージェントから重複して応募することはできないため、応募状況の管理はしっかりと行いましょう。まずは2〜3社に登録してみるのがおすすめです。

登録したら必ず転職しなければいけませんか？

いいえ、その必要は全くありません。
転職エージェントは、情報収集やキャリア相談の目的で利用することも可能です。「良い求人があれば転職したい」「自分の市場価値を知りたい」といった段階での登録も歓迎されます。面談を通じて考えが変わり、現職に留まるという決断をする方もいます。内定が出た後でも、辞退することは可能ですので、プレッシャーを感じる必要はありません。

職務経歴書がなくても登録できますか？

はい、ほとんどのエージェントでは職務経歴書が未完成の状態でも登録は可能です。
まずはWebサイトのフォームから基本情報を入力して登録を済ませましょう。その後のキャリアアドバイザーとの面談までには、簡単なものでも良いので職務経歴書を準備しておくと、話がスムーズに進みます。多くの場合、エージェントがフォーマットを用意してくれたり、書き方から丁寧に指導してくれたりするので、完璧なものを準備する必要はありません。

面談ではどのようなことを話しますか？

面談は、キャリアアドバイザーがあなたのことを理解するための重要な時間です。主に以下のような内容について、リラックスして話しましょう。

• これまでの経験: どんな会社で、どんな仕事をしてきたか。実績や学んだこと。
• スキル: 語学力、PCスキル、専門知識など。
• 転職理由: なぜ今の会社を辞めたいのか、次の会社に何を求めているのか。
• 希望条件: 業界、職種、勤務地、年収、働き方など。
• キャリアプラン: 将来的にどうなりたいか、どんなキャリアを築きたいか。

事前にこれらの点を自分なりに整理しておくと、より有意義な面談になります。

地方の求人も紹介してもらえますか？

はい、多くの大手総合型エージェントは全国の求人をカバーしています。
リクルートエージェントやdodaなどは、全国に拠点を持ち、各地域の求人情報に精通しています。Uターン・Iターン転職の相談も可能です。また、全国対応のエージェントに加え、特定の地域に特化した「地域特化型エージェント」を併用するのも有効です。その地域の優良企業との強いパイプを持っている場合があります。

紹介された求人を断ることはできますか？

はい、もちろん断ることができます。
興味が持てない求人や、希望と合わない求人に応募する必要は一切ありません。むしろ、断る際には「なぜ興味がないのか」「どの点が希望と合わないのか」を具体的に伝えることが重要です。そのフィードバックを元に、キャリアアドバイザーはあなたの希望への理解を深め、次回の求人紹介の精度を高めることができます。遠慮せずに、正直な気持ちを伝えましょう。

まとめ：20代の転職はエージェントをうまく活用して成功させよう

20代は、これからのキャリアを大きく左右する可能性に満ちた時期です。ポテンシャルを武器に未経験の分野へ挑戦できる20代前半、そして経験を活かしてさらなる高みを目指す20代後半。それぞれのステージで、転職はキャリアを飛躍させるための重要な選択肢となります。

しかし、初めての転職や多忙な中での活動には、不安や困難がつきものです。そんな時に、あなたの強力な味方となるのが転職エージェントです。

この記事で解説してきたように、転職エージェントは単に求人を紹介してくれるだけの存在ではありません。

• 自分では気づけない強みやキャリアの方向性を見出す手助けをしてくれる
• 一般には出回らない非公開求人へのアクセスを可能にする
• プロの視点で応募書類を磨き上げ、面接通過率を高めてくれる
• 面倒な日程調整やデリケートな条件交渉を代行してくれる

これらの手厚いサポートをすべて無料で受けられるのです。

転職成功の鍵は、自分に合った転職エージェントを選び、そのサービスを主体的に、そして賢く活用することにあります。まずは、本記事で紹介した中から気になるエージェントに2〜3社登録し、キャリアアドバイザーとの面談を受けてみることから始めてみましょう。プロとの対話を通じて、きっと新たな発見や気づきがあるはずです。

あなたのキャリアの可能性は、あなたが思っている以上に広がっています。 転職エージェントという頼れるパートナーと共に、自信を持って次の一歩を踏み出し、理想のキャリアを実現させましょう。