転職活動において、履歴書は応募者の第一印象を決定づける極めて重要な書類です。採用担当者は履歴書を通じて、応募者の経歴やスキルだけでなく、人柄やビジネスマナー、そして自社への熱意を読み取ろうとします。たった一枚の書類が、面接への扉を開く鍵となると言っても過言ではありません。
しかし、いざ履歴書を作成しようとすると、「手書きとパソコン、どちらが良いのか」「どの項目に何を書けば良いのか」「採用担当者に響く志望動機や自己PRはどう書けばいいのか」など、様々な疑問や不安が浮かんでくるのではないでしょうか。
この記事では、転職を成功させたいと考えるすべての方に向けて、履歴書作成の基本から、採用担当者の心をつかむための応用テクニックまで、網羅的に解説します。各項目の具体的な書き方や豊富な例文はもちろん、効率的に作成できるテンプレートやツールの情報、さらには提出時のマナーに至るまで、あなたの転職活動を強力にサポートする情報を凝縮しました。
この記事を最後まで読めば、自信を持って提出できる、あなたの魅力が最大限に伝わる履歴書を完成させられます。 不安を解消し、万全の準備で選考に臨むために、ぜひ参考にしてください。
目次
履歴書作成の前に知っておきたい基本
履歴書の作成に取り掛かる前に、まずはその役割や種類、そして採用担当者がどこに注目しているのかという基本的な知識を深めておくことが重要です。これらの背景を理解することで、一つひとつの項目をより戦略的に、かつ効果的に作成できるようになります。ここでは、履歴書作成の土台となる3つの基本事項について詳しく解説します。
履歴書とは
履歴書とは、応募者の氏名、年齢、住所、学歴、職歴、資格といった基本的なプロフィールをまとめた公的な書類です。転職活動においては、応募者がどのような人物であるかを企業側が最初に知るための重要なツールとなります。単なる経歴の羅列ではなく、あなたという人間を企業に紹介する「公式な自己紹介シート」と捉えましょう。
採用担当者は、履歴書を通して応募者の経歴が募集要件と合致しているかを確認するだけでなく、記載内容の正確さや丁寧さから、その人の仕事に対する姿勢やビジネスマナー、人柄までを推し量っています。誤字脱字がなく、整然と書かれた履歴書は、それだけで「丁寧で信頼できる人物」という好印象を与えます。
また、履歴書は応募の意思を正式に示す書類でもあります。そのため、記載する内容には責任が伴い、虚偽の記載は経歴詐称とみなされ、内定取り消しや、場合によっては解雇の理由となる可能性もあります。履歴書は、あなた自身の信頼性を証明する重要なビジネス文書であるという意識を持って、誠実に作成することが求められます。
転職活動における履歴書の役割は、大きく分けて以下の3つです。
- 応募者のスクリーニング: 企業は多数の応募者の中から、まず会ってみたい人物を絞り込むために履歴書を用います。ここで次の選考ステップに進めるかどうかが決まるため、最初の関門として非常に重要です。
- 面接時の基礎資料: 面接官は履歴書に書かれた内容をもとに質問をします。学歴や職歴、志望動機など、履歴書の内容を深掘りすることで、応募者の経験や考え方をより詳しく理解しようとします。
- 入社後の人事情報: 採用が決まった後、履歴書は従業員の個人情報や経歴を管理するための人事資料として保管されます。給与計算や社会保険の手続きなど、労務管理の基礎情報としても活用されるのです。
このように、履歴書は選考過程だけでなく、入社後にも関わる長期的な重要性を持つ書類です。その一枚一枚があなたの分身として企業に評価されることを念頭に置き、細心の注意を払って作成に臨みましょう。
履歴書と職務経歴書の違い
転職活動では、履歴書と合わせて「職務経歴書」の提出を求められることがほとんどです。この二つの書類は役割が異なるため、その違いを正確に理解し、それぞれに最適な内容を記載することが重要です。履歴書が「応募者のプロフィールをまとめた公的文書」であるのに対し、職務経歴書は「これまでの仕事における経験やスキルを具体的にアピールするためのプレゼン資料」と位置づけられます。
両者の主な違いを以下の表にまとめました。
項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
---|---|---|
主な目的 | 応募者の基本情報(プロフィール)を伝える | 業務経験、スキル、実績を具体的にアピールする |
役割 | 公的な自己紹介シート、応募の意思表示 | 自身の強みを売り込むためのプレゼン資料 |
形式 | フォーマットがある程度決まっている(JIS規格など) | 決まったフォーマットはなく、比較的自由 |
ボリューム | A4またはB5サイズで1〜2枚 | A4サイズで1〜3枚程度が一般的 |
記載内容 | 氏名、住所、学歴、職歴、資格、志望動機など | 職務要約、職務経歴(担当業務、実績)、活かせるスキル、自己PRなど |
重要視される点 | 正確性、網羅性、基本的なビジネスマナー | 具体性、一貫性、応募職種との関連性、アピール力 |
履歴書は、あなたの「これまで」を簡潔に、かつ正確に伝えるための書類です。採用担当者はまず履歴書で、年齢や学歴、転職回数といった基本的な情報を把握します。そのため、誰が見ても分かりやすいように、定められたフォーマットに沿って事実を過不足なく記載することが求められます。
一方、職務経歴書は、あなたの「できること」や「貢献できること」を自由にアピールする場です。どのような業務に携わり、どのようなスキルを身につけ、どのような実績を上げてきたのかを、具体的な数字やエピソードを交えて詳細に記述します。採用担当者は職務経歴書を通して、応募者が即戦力として活躍できる人材かどうかを判断します。
この二つの書類は、互いに補完し合う関係にあります。履歴書で興味を持った応募者について、職務経歴書でさらに詳しく知りたい、というのが採用担当者の思考プロセスです。したがって、両方の書類に記載する内容には一貫性を持たせることが不可欠です。例えば、履歴書の職歴欄と職務経歴書の職務経歴に矛盾がないように注意しましょう。
効果的なアピールのためには、履歴書の自己PRや志望動機は要点を絞って簡潔に書き、その詳細な根拠やエピソードを職務経歴書で展開するといった連携を意識すると良いでしょう。履歴書で概要を示し、職務経歴書で深掘りするという役割分担をすることで、採用担当者にとって分かりやすく、説得力のある応募書類一式が完成します。
採用担当者がチェックするポイント
採用担当者は毎日多くの履歴書に目を通しています。その中で、短時間で効率的に応募者を評価するため、いくつかの重要なポイントに注目しています。彼らが何を知りたいのかを理解することは、通過率の高い履歴書を作成するための第一歩です。
採用担当者が特に注意深くチェックしているのは、主に以下の5つのポイントです。
- 基本的なビジネスマナーが備わっているか
履歴書は、応募者のビジネスマナーを測る最初の試金石です。誤字脱字がないか、丁寧な字で書かれているか(手書きの場合)、証明写真の貼り方や服装は適切か、指定されたフォーマットやルールを守っているかといった点は、社会人としての基礎力を判断する上で非常に重要視されます。どんなに素晴らしい経歴を持っていても、基本的なマナーが欠けていると判断されれば、「仕事も雑なのではないか」というマイナスの印象を与えかねません。 - 募集要件とのマッチ度
採用担当者は、自社が求めるスキルや経験を応募者が持っているかを真っ先に確認します。職歴欄を見て、どのような業界で、どのような職務を、どのくらいの期間経験してきたのかをチェックします。特に、募集職種と関連性の高い経験や、マネジメント経験の有無などは重点的に見られます。免許・資格欄も、業務に必要な資格を保有しているかを確認するための重要な情報源です。 - 自社への志望度は高いか
企業は、長く活躍してくれる人材を求めています。そのため、「なぜ他の会社ではなく、自社を志望するのか」という熱意や本気度を志望動機欄から読み取ろうとします。どの企業にも当てはまるような一般的な内容ではなく、その企業の事業内容や企業理念、社風などを深く理解した上で、自身の経験や価値観と結びつけて語られているかが評価の分かれ目となります。 - 人柄やポテンシャル
経歴やスキルだけでなく、応募者がどのような人物で、社風に合うかどうか(カルチャーフィット)も重要な選考基準です。自己PR欄や趣味・特技欄は、応募者の人柄や価値観、強みを伝える絶好の機会です。具体的なエピソードを交えて自身の強みが語られているか、仕事に対する姿勢や向上心が見えるかといった点から、入社後の活躍イメージや将来的なポテンシャルを判断します。 - 経歴の一貫性と信頼性
採用担当者は、学歴から職歴までの流れに不自然な点がないかを確認します。転職回数が多くないか、在籍期間が短すぎないか、職歴に空白期間(ブランク)はないかといった点に注目します。もしブランクなどがある場合は、その理由が納得のいく形で説明されているかがポイントになります。履歴書と職務経歴書の内容に矛盾がないかも、応募者の信頼性を測る上で厳しくチェックされます。
これらのポイントを意識し、採用担当者が知りたい情報(=あなたの強みや熱意)を、分かりやすく、かつ説得力を持って伝えることが、書類選考を突破するための鍵となります。
転職用履歴書を作成する際の基本ルール
履歴書は公的な書類であり、作成にはいくつかの守るべきルールやマナーが存在します。これらの基本ルールを押さえておかないと、内容以前の問題でマイナスの評価を受けてしまう可能性があります。ここでは、作成方法の選択から書式、筆記用具に至るまで、履歴書を作成する上で必ず守りたい7つの基本ルールを解説します。
パソコン作成と手書きはどちらが良いか
転職活動において、履歴書をパソコンで作成するか手書きで作成するかは、多くの人が最初に悩むポイントです。結論から言うと、企業からの指定がない限り、現在ではパソコンでの作成が一般的であり、推奨されます。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、状況に応じて判断しましょう。
作成方法 | メリット | デメリット | おすすめのケース |
---|---|---|---|
パソコン作成 | ・読みやすく、修正が容易 ・効率的に作成でき、使い回しが可能 ・ITスキルのアピールに繋がる ・Web応募にスムーズに対応できる |
・個性や人柄が伝わりにくい場合がある ・使い回しが露骨だと熱意が低いと見られる恐れ |
・IT業界、外資系企業、ベンチャー企業 ・事務職などPCスキルが求められる職種 ・複数の企業に同時に応募する場合 |
手書き | ・丁寧さや熱意が伝わりやすい ・文字から人柄が伝わる可能性がある |
・作成に時間がかかる ・修正が難しく、書き直しが必要 ・字に自信がないと読みにくい ・Web応募には別途スキャンが必要 |
・手書きを重視する文化のある企業(老舗企業など) ・ハローワークの紹介など ・企業から手書きの指定があった場合 |
現代のビジネスシーンでは、文書作成はパソコンで行うのが常識です。そのため、パソコンで作成された履歴書は、基本的なPCスキル(WordやExcelの操作)があることの証明にもなります。特にIT業界や外資系企業、事務職などでは、パソコン作成が当然と見なされる傾向が強いです。また、一度テンプレートを作成すれば、応募企業ごとに志望動機などを修正するだけで済むため、効率的に転職活動を進められる点も大きなメリットです。
ただし、パソコンで作成する際には注意点もあります。それは、明らかに使い回したと分かるような志望動機や自己PRは避けることです。企業名や職種名だけを差し替えたような内容は、採用担当者に見抜かれてしまい、「志望度が低い」と判断される原因になります。必ず応募する企業一社一社に合わせて、内容はカスタマイズしましょう。
一方、手書きには「熱意が伝わりやすい」という側面があります。丁寧に書かれた文字は、それだけで誠実な人柄を印象づける効果が期待できます。特に、伝統を重んじる企業や、人との繋がりを大切にするような業種では、手書きの履歴書が好まれるケースも稀にあります。しかし、字に自信がない場合や、書き損じによる時間のロスを考えると、デメリットの方が大きいと言えるでしょう。
迷った場合は、パソコンで作成するのが最も無難で合理的な選択です。 企業から「手書きで提出」という明確な指示がない限り、読みやすさと効率性を優先してパソコンで作成しましょう。
履歴書のサイズの選び方(A4またはB5)
市販されている履歴書やテンプレートには、主にA4サイズ(210mm×297mm)とB5サイズ(182mm×257mm)の2種類があります。どちらを選ぶべきか迷うかもしれませんが、ビジネス文書の標準サイズであるA4を選ぶのが現在の主流であり、おすすめです。
- A4サイズ(見開きA3):
- メリット: ビジネス文書の標準サイズであり、職務経歴書や送付状など他の応募書類とサイズを統一しやすいです。また、用紙が大きい分、各項目に十分なスペースがあり、職歴が多い人やアピールしたいことが多い人でも余裕を持って記入できます。
- デメリット: 特に記入することが少ない場合、余白が目立ってしまう可能性があります。
- おすすめな人: 社会人経験が豊富な人、職歴や資格が多い人、自己PRなどをしっかり書きたい人。
- B5サイズ(見開きB4):
- メリット: A4よりも一回り小さくコンパクトなため、記入する内容が少ない場合でもバランス良く見せられます。
- デメリット: 職務経歴書(通常A4で作成)とサイズが異なり、管理しにくいと感じる採用担当者もいます。記入スペースが限られるため、アピールしたいことが多い場合には不向きです。
- おすすめな人: 社会人経験が浅い人(第二新卒など)、職歴が少ない人。
最も重要なのは、提出する応募書類全体のサイズを統一することです。履歴書がA4で職務経歴書がB5といったようにサイズがバラバラだと、採用担当者がファイリングしにくく、配慮に欠ける印象を与えてしまう可能性があります。職務経歴書はA4で作成するのが一般的なので、それに合わせて履歴書もA4で作成するのが最もスマートです。
企業からサイズの指定がある場合は、もちろんその指示に従います。指定がない場合は、A4サイズを選んでおけば間違いありません。
履歴書の種類の選び方(JIS規格、一般用など)
履歴書には、サイズだけでなくフォーマットにもいくつかの種類があります。代表的なものとして「JIS規格」「一般用」「転職用」などが挙げられます。それぞれの特徴を理解し、自分の状況に合ったものを選びましょう。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
JIS規格履歴書 | 日本産業規格(JIS)が定めた様式例。学歴・職歴欄が広く、自己PR系の欄が小さい。 | 公的な様式で信頼性が高い。経歴をシンプルに伝えたい場合に適している。 | 自己PRや志望動機をアピールするスペースが少ないため、転職活動には不向きな場合がある。 |
一般用履歴書 | JIS規格をベースに、各メーカーが使いやすく改良したもの。趣味・特技欄や本人希望欄などがある。 | バランスの取れたフォーマットで、新卒・転職問わず幅広く使える。 | 転職者向けのアピール項目が少ない場合がある。 |
転職用履歴書 | 職務経歴をアピールしやすいように作られている。職務要約欄や自己PR欄が広い。 | これまでの経験やスキルを具体的にアピールしやすい。即戦力であることを示したい転職者に最適。 | 学歴や職歴が少ない人には、欄を埋めるのが難しい場合がある。 |
キャリア式履歴書 | 職務経歴を時系列ではなく、職務内容やプロジェクトごとにまとめて記載する形式。 | 特定のスキルや専門性を強調しやすい。キャリアの一貫性をアピールしたい場合に有効。 | 複数の職種を経験している場合、分かりにくくなる可能性がある。 |
転職活動においては、「転職用履歴書」のフォーマットを使用するのが最もおすすめです。 転職市場で企業が最も重視するのは「これまでの経験を活かして、いかに自社に貢献してくれるか」という点です。転職用履歴書は、職務経歴や自己PRを詳述できるスペースが広く取られているため、自身の強みや即戦力性を効果的にアピールできます。
JIS規格の履歴書は、かつては標準とされていましたが、自己PR欄が小さいため、自分の魅力を伝えたい転職者にとっては物足りないことが多いです。アルバイトやパートの応募であれば問題ありませんが、正社員の転職では避けた方が無難でしょう。
履歴書のテンプレートをダウンロードする際や、市販の履歴書を購入する際には、各項目のレイアウトをよく確認し、自分の経歴やアピールしたい内容に合わせて、最も書きやすいと感じる「転職用」フォーマットを選びましょう。
使用するペンやインクの色
手書きで履歴書を作成する場合、使用する筆記用具にもマナーがあります。黒の油性またはゲルインクのボールペンを使用するのが基本です。
- ペンの種類: サインペンや万年筆でも問題ありませんが、にじみにくく、くっきりとした線で書けるゲルインクボールペンが最もおすすめです。
- ペンの太さ: 0.5mm〜0.7mmが一般的で、読みやすい文字の太さです。細すぎると弱々しい印象に、太すぎると文字が潰れて読みにくくなる可能性があります。
- インクの色: 必ず黒を使用します。 青や赤など、黒以外の色はビジネスマナー違反と見なされます。
- 避けるべきペン: 消せるボールペンや鉛筆、シャープペンシルは絶対に使用してはいけません。 これらは後から誰でも簡単に修正できてしまうため、公的文書である履歴書への使用は不適切です。摩擦熱で文字が消えてしまうリスクもあり、信頼性を著しく損ないます。
パソコンで作成する場合も、印刷時の文字色は黒に設定するのが常識です。強調したい部分があっても、色を変えたり太字にしすぎたりするのは避け、プレーンな書式で統一感を出すことが大切です。
修正液や修正テープの使用は避ける
手書きで履歴書を作成している際に書き間違えてしまった場合、修正液や修正テープ、二重線での訂正は絶対にNGです。
修正跡のある履歴書は、「準備不足」「仕事が雑」「ビジネスマナーを知らない」といったネガティブな印象を採用担当者に与えてしまいます。履歴書はあなたという商品をアピールするための重要な書類です。修正跡のある商品を、自信を持って顧客に勧められないのと同じです。
一文字でも書き間違えた場合は、手間を惜しまずに新しい用紙に最初から書き直すのが鉄則です。 このような事態を避けるためにも、いきなり清書するのではなく、まずは鉛筆で下書きをするか、別の紙やパソコンで作成した文章を見ながら書くことをおすすめします。
書き直しという手間をかけること自体が、あなたの真摯な姿勢を示すことに繋がります。面倒に感じるかもしれませんが、ここで手を抜かないことが、結果的に内定への近道となります。
空欄を作らないのがマナー
履歴書の各項目は、原則としてすべて埋めるのがマナーです。空欄があると、採用担当者に「記入漏れではないか」「意欲が低いのではないか」という疑念を抱かせてしまいます。
特に記入することがない項目であっても、空欄のまま提出するのは避けましょう。
- 免許・資格欄: 記載できる資格がない場合は、「特になし」と記入します。
- 本人希望記入欄: 特に希望がない場合でも空欄にせず、「貴社規定に従います。」と記入するのが一般的です。これにより、柔軟な姿勢を示すことができます。
- 趣味・特技欄など: どうしても書くことが思いつかない場合でも、何かしら記入する努力をしましょう。例えば「読書(月5冊程度)」「映画鑑賞(主に洋画)」など、簡単なものでも構いません。空欄よりはるかに良い印象を与えます。
すべての項目を埋めることで、丁寧で誠実な印象を与えるだけでなく、提出書類に対する責任感の高さもアピールできます。「書けることがない」のではなく、「どう書くか」を考える姿勢が重要です。
年号は和暦・西暦のどちらかに統一する
学歴・職歴欄や免許・資格の取得年月日などを記入する際、年号は和暦(平成、令和など)と西暦(2023年など)のどちらを使用しても構いません。しかし、履歴書全体でどちらか一方に必ず統一する必要があります。
学歴は和暦なのに職歴は西暦、といったように表記が混在していると、非常に読みにくく、採用担当者に「注意力散漫な人」という印象を与えかねません。
どちらを選ぶかについては、特に決まりはありませんが、以下の点を参考にすると良いでしょう。
- 応募企業に合わせる: IT業界や外資系企業など、西暦を主に使用する文化の企業に応募する場合は、西暦で統一するとスマートです。官公庁や歴史の長い国内企業などでは、和暦の方が馴染みやすい場合もあります。
- 他の応募書類と統一する: 職務経歴書など、同時に提出する他の書類の年号表記と必ず統一しましょう。書類一式で一貫性を持たせることが重要です。
- 書きやすさで選ぶ: 自分の生まれ年や卒業年などをどちらで覚えているか、で決めても問題ありません。
重要なのは「統一すること」そのものです。 記入を始める前に、和暦と西暦のどちらで書くかを決め、最後までそのルールを徹底しましょう。
【項目別】転職用履歴書の書き方8項目と例文
ここからは、履歴書の各項目について、具体的な書き方と例文を詳しく解説していきます。採用担当者に好印象を与え、あなたの魅力を最大限に伝えるためのポイントを押さえましょう。
① 基本情報欄(日付、氏名、住所、連絡先)
基本情報欄は、最初に採用担当者の目に留まる部分です。正確に、かつ丁寧に記入することで、信頼性の高い第一印象を与えられます。
日付
履歴書の日付は、提出方法によって記入する日付が異なります。
- 郵送の場合: ポストに投函する日を記入します。
- メールで送付する場合: 送信する日を記入します。
- 面接に持参する場合: 面接日当日を記入します。
履歴書を作成した日ではない点に注意が必要です。「企業がその履歴書を受け取る日」を基準に考えると覚えやすいでしょう。年号は、履歴書全体で統一した表記(和暦または西暦)を使用します。
氏名・ふりがな・印鑑
- 氏名: 姓と名の間にはスペースを一つ空け、読みやすいように記載します。戸籍上の漢字を正確に、丁寧に書きましょう。
- ふりがな: 履歴書の様式に合わせて、「ふりがな」とあればひらがなで、「フリガナ」とあればカタカナで記入します。姓と名の上、それぞれに忘れず記入しましょう。
- 印鑑: 履歴書に印鑑欄がある場合は、朱肉を使う認印(シャチハタは不可)を押印します。かすれたり、曲がったりしないよう、印鑑マットなどを使ってまっすぐ丁寧に押しましょう。近年は押印不要の履歴書も増えていますが、欄がある場合は押すのがマナーです。
生年月日・年齢
生年月日は、和暦か西暦のどちらかに統一して記入します。年齢は、履歴書の日付(提出日)時点での満年齢を記入します。計算ミスがないように注意しましょう。
現住所・連絡先
- 現住所: 都道府県名から省略せずに、アパートやマンション名、部屋番号まで正確に記入します。郵便番号も忘れずに記載しましょう。ふりがなも、市区町村だけでなく、番地や建物名の上まで忘れずに振ります。
- 連絡先: 現住所以外に連絡を希望する場所(帰省中の実家など)がある場合に記入します。特にない場合は空欄にせず、「同上」と記入します。
電話番号・メールアドレス
- 電話番号: 日中、最も連絡がつきやすい番号を記入します。携帯電話の番号で問題ありません。
- メールアドレス: パソコンで確認できる個人のメールアドレスを記入しましょう。キャリアメール(@docomo.ne.jpなど)は、ファイル添付の受信に不具合が生じる可能性があるため避けるのが無難です。また、プライベートすぎる、あるいはふざけた印象を与えるアドレス(例: love-cat@…)は避け、氏名や数字を組み合わせたビジネスシーンにふさわしいシンプルなアドレスを使用しましょう。
② 証明写真
証明写真は、あなたの第一印象を左右する非常に重要な要素です。採用担当者は、写真からあなたの人柄や清潔感を読み取ります。手を抜かずに、最高の状態で撮影しましょう。
写真の基本マナー(サイズ・背景・服装)
- サイズ: 一般的な履歴書の写真サイズは縦40mm×横30mmです。指定がある場合はそれに従います。
- 撮影時期: 3ヶ月以内に撮影したものを使用するのがマナーです。髪型や体型が大きく変わっている場合は、撮り直しましょう。
- 背景: 白、青、または薄いグレーの無地が基本です。清潔感があり、表情がはっきりと分かります。
- 服装: 男女ともにスーツ着用が基本です。男性はネクタイを締め、女性は清潔感のあるブラウスやカットソーを合わせます。アパレル業界など、個性を重視する企業の場合は、その企業の雰囲気に合わせた服装でも良い場合がありますが、迷ったらスーツが無難です。
- 貼り方: 写真の裏に氏名を記入し、のりで丁寧に貼り付けます。万が一剥がれてしまった際に、誰の写真か分かるようにするためです。両面テープも手軽ですが、時間が経つと剥がれやすくなることがあるため、スティックのりなどがおすすめです。
良い印象を与える写真の撮り方
良い印象を与えるためには、表情や姿勢が重要です。
- 表情: 口角を少し上げ、自然な微笑みを意識します。歯は見せない程度が良いでしょう。真顔だと硬い印象、笑いすぎると不真面目な印象を与えます。
- 姿勢: 背筋を伸ばし、顎を軽く引きます。カメラをまっすぐに見つめ、自信のある表情を作りましょう。
- 髪型・メイク: 清潔感が第一です。前髪が目にかからないようにし、長い髪はまとめます。女性のメイクは、派手すぎず地味すぎないナチュラルメイクが基本です。
- 撮影場所: スピード写真機でも問題ありませんが、時間に余裕があれば写真館での撮影がおすすめです。プロのカメラマンが表情や姿勢をアドバイスしてくれるため、クオリティの高い写真が撮れます。
写真をデータ化する方法
Web応募や履歴書作成ツールを利用する場合、写真のデータが必要になります。
- 写真館で撮影する: 撮影時にデータでの受け取りを依頼するのが最も簡単で高品質です。
- スピード写真機を利用する: 最近の機種には、撮影データをスマートフォンにダウンロードできる機能が付いているものがあります。
- スキャナーで取り込む: 自宅やコンビニのマルチコピー機にあるスキャナーを使って、既存の証明写真をスキャンし、データ化する方法もあります。ただし、画質が落ちる可能性があるため注意が必要です。
データで提出する場合も、写真の基本マナー(服装、背景など)は紙の場合と全く同じです。スナップ写真や加工しすぎた写真は絶対に使用してはいけません。
③ 学歴・職歴欄
学歴・職歴は、あなたのこれまでの歩みを客観的に示す重要な項目です。正確かつ分かりやすく記載しましょう。
学歴はいつから書くか
学歴をどこから書くかに厳密なルールはありませんが、転職活動では「高等学校卒業」から書くのが一般的です。義務教育である小中学校は省略して問題ありません。1行目の中央に「学歴」と書き、2行目から年代順に記載します。学校名は「〇〇高校」などと略さず、「〇〇県立〇〇高等学校」のように正式名称で書きましょう。「卒業」だけでなく「入学」も忘れずに記載します。
【学歴 記入例】
| 年 | 月 | 学歴 |
| :— | :— | :— |
| 2012 | 4 | 〇〇県立〇〇高等学校 普通科 入学 |
| 2015 | 3 | 〇〇県立〇〇高等学校 普通科 卒業 |
| 2015 | 4 | 〇〇大学 経済学部 経済学科 入学 |
| 2019 | 3 | 〇〇大学 経済学部 経済学科 卒業 |
職歴の基本的な書き方
学歴を書き終えたら、1行空けて中央に「職歴」と書き、その下の行から時系列に沿って記載します。
- 会社名: 株式会社や有限会社なども省略せず、正式名称で記入します。
- 部署名・役職: どの部署でどのような仕事をしていたか、具体的に記載します。役職があればそれも明記します。
- 事業内容: 会社の規模(従業員数)や事業内容を簡潔に書き添えると、採用担当者があなたの経歴をイメージしやすくなります。
【職歴 記入例】
| 年 | 月 | 職歴 |
| :— | :— | :— |
| 2019 | 4 | 株式会社〇〇商事 入社 |
| | | 営業本部 第一営業部に配属 |
| | | 主に法人向けにITソリューションの新規開拓営業に従事 |
| | | (従業員数:300名、事業内容:IT機器の販売およびシステム開発) |
「現在に至る」と「以上」の使い分け
- 在職中の場合: 最後の職歴の次の行に「現在に至る」または「在職中」と左詰めで記入します。これにより、現在もその会社に勤務していることが伝わります。
- すでに退職している場合: 退職した年月を記入し、その職歴を書き終えたら、右詰めで「以上」と記入します。
- 在職中で、職歴を書き終えた場合: 「現在に至る」と書いた後、その下の行に右詰めで「以上“」と記入します。
「以上」は、「私の職歴はこれで全てです」という意味を示す締めくくりの言葉です。忘れずに記入しましょう。
異動や出向があった場合の書き方
部署異動や転勤、関連会社への出向などがあった場合も、時系列に沿って具体的に記載します。これにより、多様な経験を積んできたことをアピールできます。
【異動・出向の記入例】
| 年 | 月 | 職歴 |
| :— | :— | :— |
| 2021 | 10 | 株式会社〇〇商事 人事部へ異動 |
| | | 新卒・中途採用業務を担当 |
| 2023 | 4 | 関連会社である〇〇システム株式会社へ出向 |
| | | プロジェクトマネージャーとしてシステム導入支援に従事 |
退職理由の書き方
退職理由は、自己都合か会社都合かで書き方が異なります。
- 自己都合退職の場合: 「一身上の都合により退職」と書くのが一般的です。ネガティブな理由(人間関係、待遇への不満など)を具体的に書く必要はありません。面接で聞かれた際に、ポジティブな転職理由を説明できるように準備しておきましょう。
- 会社都合退職の場合: 倒産、リストラ、事業所閉鎖などが理由の場合は、「会社都合により退職」や「事業所閉鎖に伴い退職」など、事実を簡潔に記載します。これは応募者の責任による退職ではないことを示すために重要です。
職歴にブランクがある場合の書き方
病気療養や留学、資格取得、家庭の事情などで職歴に1年以上の空白期間(ブランク)がある場合は、その理由を簡潔に説明することをおすすめします。理由を正直に記載することで、採用担当者の不安を払拭し、誠実な印象を与えられます。
【ブランク期間の記入例】
- 留学の場合: 「2022年4月~2023年3月 語学力向上のためアメリカへ留学」
- 資格取得の場合: 「2022年5月 公認会計士資格取得のため、学習に専念(2023年8月合格)」
- 病気療養の場合: 「2021年6月 病気療養のため退職(現在は完治しており、業務に支障なし)」
ポイントは、ブランク期間を無駄に過ごしたのではなく、何らかの目的があったこと、そして現在は就業に問題がないことを明確に伝えることです。
④ 免許・資格欄
免許・資格欄は、専門性やスキルを客観的にアピールできる重要な項目です。書き方にはルールがあるため、正しく記載しましょう。
記載する順番
取得した年月が古いものから順番に書くのが基本です。ただし、応募する職種に特に関連性の高い資格や、最もアピールしたい資格を最初に書くという方法も効果的です。例えば、経理職に応募する場合、日商簿記検定を最初に持ってくる、といった具合です。その場合でも、それ以降は時系列順に記載すると良いでしょう。
一般的には、まず運転免許を書き、その後にその他の資格を記載することが多いです。
免許・資格は正式名称で書く
免許や資格は、通称や略称ではなく、必ず正式名称で記載します。
【正式名称の例】
- 普通免許 → 普通自動車第一種運転免許 取得
- 英検2級 → 実用英語技能検定2級 合格
- 簿記2級 → 日本商工会議所簿記検定試験2級 合格 または 日商簿記検定試験2級 合格
- 漢検 → 日本漢字能力検定〇級 合格
- TOEIC 800点 → TOEIC Listening & Reading Test 800点 取得
- MOS → マイクロソフト オフィス スペシャリスト(Excel 2019) 認定
最後の「取得」「合格」「認定」なども、資格によって表現が異なるため、正確に記載しましょう。
取得に向けて勉強中の資格の書き方
現在、取得に向けて勉強中の資格がある場合、それを記載することで学習意欲や向上心をアピールできます。特に、応募職種に関連する資格であれば、有効なアピールになります。
【勉強中の資格の記入例】
- TOEIC Listening & Reading Test 900点取得に向け勉強中
- 2024年11月のファイナンシャル・プランニング技能検定2級 受験予定
- 社会保険労務士資格 取得のため勉強中(2025年合格目標)
ポイントは、具体的な目標(点数や受験時期)を併記することです。これにより、単なる思いつきではなく、計画的に学習を進めていることが伝わり、説得力が増します。
⑤ 志望動機欄
志望動機は、「なぜこの会社で働きたいのか」というあなたの熱意を伝える、履歴書の中で最も重要な項目の一つです。採用担当者はここから、あなたの企業理解度、仕事への意欲、そして将来性を判断します。
企業が志望動機で知りたいこと
採用担当者は、志望動機を通じて以下の3点を確認しようとしています。
- 自社への理解度と熱意: 企業理念や事業内容、社風などをどれだけ理解しているか。そして、それに共感し、強く入社を望んでいるか。
- 応募者と企業の相性(マッチ度): 応募者の持つスキルや経験、価値観が、企業の求める人物像や文化と合っているか。
- 入社後の貢献意欲と将来性: 入社後にどのように活躍し、会社に貢献してくれるのか。長期的に成長していくビジョンを持っているか。
これらの要素を盛り込み、「他の会社ではなく、この会社でなければならない理由」を明確に伝えることが、魅力的な志望動機を作成する鍵となります。
魅力的な志望動機を作成する3ステップ
説得力のある志望動機は、以下の3つのステップで構成すると作りやすくなります。
- ステップ1:結論(なぜその企業を志望するのか)
最初に「貴社の〇〇という点に魅力を感じ、志望いたしました」というように、志望理由の結論を明確に述べます。 最も伝えたいことを冒頭に持ってくることで、採用担当者の興味を引きつけます。 - ステップ2:根拠(具体的なエピソードや経験)
ステップ1で述べた結論の根拠を、自身の経験やスキルと結びつけて具体的に説明します。 「前職での〇〇という経験で培った△△のスキルは、貴社の□□という事業で活かせると考えております」のように、企業の事業内容や方針と自分の強みをリンクさせることが重要です。 - ステップ3:貢献(入社後のビジョン)
最後に、入社後にどのように会社に貢献したいか、将来的にどうなりたいかというビジョンを語って締めくくります。「これまでの経験を活かして、まずは〇〇として売上向上に貢献し、将来的には△△の分野にも挑戦していきたいです」のように、意欲と将来性を示しましょう。
状況別の志望動機例文
【例文:同業種・同職種への転職】
「現職では法人向けSaaS製品の営業として、5年間で約200社の新規顧客開拓と、既存顧客のアップセルによる年間売上120%増を達成してまいりました。顧客の課題解決に深く寄り添う中で、より幅広いソリューションを提供し、顧客の事業成長を根幹から支えたいという思いが強くなりました。業界トップクラスの製品ラインナップと、顧客第一主義を掲げる貴社の理念に強く共感し、志望いたしました。前職で培ったヒアリング力と提案力を活かし、貴社の主力製品である〇〇の拡販に貢献したいと考えております。」
【例文:未経験職種への転職】
「前職では5年間、アパレル販売員として顧客満足度の向上に努め、店舗の売上目標を2年連続で達成しました。お客様のニーズを汲み取り、最適な提案をすることにやりがいを感じる中で、より直接的に人のキャリアをサポートする仕事に挑戦したいと考えるようになりました。未経験者への手厚い研修制度と、個人の挑戦を後押しする社風を持つ貴社でなら、自身の強みである傾聴力と提案力を活かし、求職者と企業双方に貢献できる人材コンサルタントとして成長できると確信しております。一日も早く知識を吸収し、貴社の一員として貢献できるよう尽力いたします。」
⑥ 自己PR欄
自己PRは、職務経歴だけでは伝えきれないあなたの強みやスキル、仕事への姿勢をアピールする場です。志望動機が「なぜこの会社か」を語るのに対し、自己PRは「私を採用するとこんなメリットがあります」と売り込む項目です。
自己PRでアピールすべきこと
自己PRでは、応募する企業の求める人物像を意識し、それに合致する自分の強みをアピールすることが重要です。
- 応募職種で活かせるスキル・経験: 専門知識、技術、語学力、マネジメント経験など。
- ポータブルスキル: 課題解決能力、コミュニケーション能力、リーダーシップ、主体性など、どの業界・職種でも通用する汎用的な能力。
- 仕事へのスタンス: 向上心、責任感、協調性、粘り強さなど、あなたの仕事に対する姿勢や価値観。
これらの強みを、具体的なエピソードや実績(数値など)を交えて語ることで、説得力を持たせることができます。
自己PRの基本的な構成
自己PRも、PREP法と呼ばれる構成で書くと、論理的で分かりやすくなります。
- P(Point):結論(私の強みは〇〇です)
最初に、自分の最もアピールしたい強みを簡潔に述べます。 - R(Reason):理由(なぜなら、~という経験があるからです)
その強みが形成された背景や理由を説明します。 - E(Example):具体例(具体的には、~で~という成果を上げました)
強みを発揮した具体的なエピソードや、それによって得られた実績を客観的な事実(数字など)を交えて示します。 - P(Point):結論(この強みを活かして貴社に貢献します)
最後に、その強みを活かして、入社後にどのように貢献できるかを述べて締めくくります。
強み・スキル別のアピール例文
【例文:課題解決能力】
「私の強みは、現状を分析し課題を特定、改善策を実行する課題解決能力です。前職のECサイト運営では、アクセス数はあるものの購入率が低いという課題がありました。そこでGoogle Analyticsを用いて顧客行動を分析し、カート離脱率の高さが原因であると特定しました。改善策として、決済プロセスの簡略化と入力フォームの最適化を提案・実行した結果、購入率を1.5倍に向上させ、月間売上を30%増加させることに成功しました。この課題解決能力を活かし、貴社のマーケティング部門においてもデータに基づいた戦略的な施策を立案し、事業成長に貢献したいと考えております。」
【例文:リーダーシップ】
「私は、チームの目標達成に向けてメンバーを巻き込み、主体性を引き出すリーダーシップに自信があります。現職では5名のチームリーダーとして、新製品開発プロジェクトを牽引しました。プロジェクト当初はメンバー間の意見対立がありましたが、個別の面談を重ねてそれぞれの想いを汲み取り、全員が納得する共通のゴールを設定しました。また、週次の進捗会議で積極的な意見交換を促した結果、チームの一体感が高まり、予定より1ヶ月前倒しで製品をリリースできました。この経験で培ったリーダーシップを発揮し、貴社のプロジェクトにおいてもチームの成果を最大化できるよう貢献いたします。」
⑦ 趣味・特技欄
「趣味・特技」欄は、一見すると仕事と関係ないように思えますが、採用担当者があなたの人柄やプライベートな一面を知り、面接での会話のきっかけを作るための重要な項目です。
採用担当者は何を見ているか
採用担当者はこの欄から、以下のような点を見ています。
- 人柄・個性: どのようなことに興味を持ち、情熱を注いでいるのか。
- ストレス耐性・自己管理能力: 仕事以外にリフレッシュする方法を持っているか。
- 社風とのマッチ度: 既存の社員と良好な関係を築けそうか。
- 仕事に活かせる側面: 趣味や特技を通じて培われた能力(継続力、集中力、協調性など)がないか。
空欄にしたり、「特になし」と書いたりするのは非常にもったいないです。あなたらしさが伝わる内容を簡潔に記載しましょう。
趣味・特技の書き方と例文
単に「読書」「スポーツ」と書くだけでなく、具体的な内容や頻度、実績などを一言付け加えると、より人柄が伝わりやすくなります。
【趣味・特技 記入例】
- 読書: ジャンルを問わず月10冊程度読みます。特に歴史小説から、先人の課題解決手法を学ぶことが好きです。
- ランニング: 毎週末に10km走っています。体力維持はもちろん、目標を設定し達成するプロセスを楽しんでいます。(継続力や自己管理能力をアピール)
- フットサル: 学生時代から続けており、現在は地域の社会人チームに所属しています。様々な年代の方と協力してプレーすることに面白さを感じています。(協調性をアピール)
- 料理: 旬の食材を使ったレシピを考えるのが得意です。段取りを考えて効率的に作業を進める点は、仕事にも通じるものがあると感じています。(計画性や段取り力をアピール)
- データ整理: PCソフトの関数やショートカットキーを駆使して、情報を分かりやすく整理することが特技です。(事務処理能力をアピール)
ただし、ギャンブルや宗教、政治的な思想が強い趣味など、人によって好みが分かれる内容は避けるのが無難です。
⑧ 本人希望記入欄
本人希望記入欄は、労働条件に関して、どうしても譲れない事項がある場合にのみ記載する項目です。原則として、「貴社規定に従います。」と書くのが基本ですが、状況に応じて適切に活用しましょう。
希望職種・勤務地の書き方
複数の職種や勤務地を募集している企業に応募する場合、希望を明確に伝えるためにこの欄を活用します。
- 例:「営業職を希望いたします。」
- 例:「勤務地は、東京本社を希望いたします。」
これにより、ミスマッチを防ぐことができます。
給与や待遇に関する希望の書き方
給与や福利厚生に関する細かい希望を、選考の初期段階である履歴書に書くのは、一般的に良い印象を与えません。「条件ばかりを気にしている」と捉えられかねないためです。給与交渉は、内定後や最終面接の段階で行うのが基本です。
ただし、現在の年収を下回ることを避けたい場合など、最低限の希望を伝えたい場合は、以下のように謙虚な表現で記載します。
- 例:「給与につきましては、現職の年収(〇〇〇万円)を考慮いただけますと幸いです。」
在職中の場合の連絡希望時間帯
在職中に転職活動をしている場合、日中の電話対応が難しいことが多いです。その旨を伝えておくと、企業側も配慮してくれます。
- 例:「現在在職中のため、平日の12時~13時、または18時以降にご連絡いただけますと幸いです。」
特に希望がない場合の書き方
特に譲れない条件がない場合は、空欄にせず、「貴社規定に従います。」 または 「貴社の規定に準じます。」 と記入します。これにより、企業の方針に柔軟に対応できる姿勢を示すことができます。これが最も一般的で、無難な書き方です。
履歴書を効率的に作成できるテンプレート・ツール
一から履歴書を作成するのは時間と手間がかかります。そこで活用したいのが、Web上で提供されているテンプレートや作成ツールです。これらを賢く利用することで、見栄えの良い履歴書を効率的に作成できます。
履歴書テンプレートの種類と選び方
履歴書テンプレートは、主にWord、Excel、PDFの3つの形式で提供されています。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選びましょう。
形式 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
Word | 文章作成ソフト。レイアウトの自由度が高く、文章の編集がしやすい。 | 自己PRや志望動機など、文章量が多い項目を書きやすい。多くのPCに標準搭載されている。 | 表の枠線などを誤って動かしてしまうと、レイアウトが崩れやすい。 |
Excel | 表計算ソフト。セルごとに項目が分かれているため、入力がしやすい。 | レイアウトが崩れにくく、文字数やサイズの調整が比較的簡単。 | 印刷範囲の設定をしないと、意図しない形で印刷されることがある。 |
文書表示ソフト。レイアウトが固定されており、誰が見ても同じように表示される。 | 手書き用のテンプレートとして印刷するのに最適。改ざんされにくい。 | 直接編集するには専用ソフトが必要な場合が多く、パソコンでの作成には不向き。 |
パソコンで作成する場合は、Word形式かExcel形式のテンプレートがおすすめです。どちらも最終的にはPDF形式に変換して提出するのがマナーですが、作成段階では編集のしやすさで選ぶと良いでしょう。文章をしっかり書き込みたいならWord、決まった枠に手早く入力したいならExcelが適しています。
【無料】ダウンロードできる履歴書テンプレートサイト5選
多くの転職サイトや公的機関が、無料で高品質な履歴書テンプレートを提供しています。ここでは、信頼性が高く、使いやすいテンプレートを提供している代表的なサイトを5つ紹介します。
※各サービスの情報は、記事執筆時点のものです。利用の際は公式サイトで最新情報をご確認ください。
① リクナビNEXT
リクルートが運営する大手転職サイトです。Word形式で、JIS規格、転職用など複数のフォーマットを提供しています。職務経歴書のテンプレートも充実しており、応募書類一式を揃えるのに便利です。選び方のアドバイスも掲載されているため、初心者でも安心して利用できます。
参照:リクナビNEXT 公式サイト
② doda
パーソルキャリアが運営する転職サービスです。Word、Excel形式のテンプレートが用意されています。特に、自己PR欄や志望動機欄が大きい転職者向けのフォーマットが豊富です。書き方の見本も付いているため、何を書けばいいか迷ったときの参考になります。
参照:doda 公式サイト
③ マイナビ転職
マイナビが運営する転職情報サイトです。Word、Excel、PDFの各形式で、JIS規格や転職者向けなど、様々な種類のテンプレートをダウンロードできます。サイズもA4とB5から選べるなど、選択肢の幅広さが魅力です。
参照:マイナビ転職 公式サイト
④ エン転職
エン・ジャパンが運営する転職サイトです。シンプルなものから、アピール項目が多いものまで、Word形式のテンプレートを提供しています。サイト内で履歴書の書き方に関する丁寧な解説記事も多く、参考にしながら作成できます。
参照:エン転職 公式サイト
⑤ ハローワークインターネットサービス
厚生労働省が運営する公的サービスです。JIS規格に準拠した様式の履歴書テンプレート(Word、Excel、PDF)を提供しています。公的機関が提供しているという安心感があり、シンプルで標準的な履歴書を作成したい場合におすすめです。
参照:ハローワークインターネットサービス
履歴書作成ツールを使うメリット
テンプレートのダウンロードだけでなく、Webブラウザ上で直接履歴書を作成できる「履歴書作成ツール」も非常に便利です。
履歴書作成ツールには、テンプレートにはない以下のようなメリットがあります。
- 入力補助機能: ガイドに従って項目を埋めていくだけで、自動的にレイアウトの整った履歴書が完成します。学歴や職歴の自動計算機能が付いているものもあり、入力ミスを防げます。
- フォーマットの切り替えが容易: 入力した内容を保持したまま、JIS規格や転職用など、異なるフォーマットに切り替えてプレビューできます。応募企業に合わせて最適なフォーマットを選びやすいです。
- PDFへの自動変換・出力: 作成した履歴書は、ボタン一つでPDFファイルとしてダウンロードできます。ファイル変換の手間がかかりません。
- スマホ対応: スマートフォンやタブレットからでも、隙間時間を使って手軽に履歴書を作成・編集できるツールも増えています。
- 職務経歴書との連携: 入力した情報を元に、職務経歴書も同時に作成できるツールもあります。書類作成の手間を大幅に削減できます。
特にパソコン操作に不慣れな方や、複数の企業に効率的に応募したい方にとって、履歴書作成ツールは強力な味方になります。 上記で紹介した転職サイトの多くが、独自の履歴書作成ツール(レジュメビルダーなど)を提供しているので、ぜひ活用してみましょう。
履歴書の提出方法とマナー
丁寧に作成した履歴書も、提出時のマナーが守られていなければ台無しです。郵送、メール、手渡しの3つのケース別に、それぞれのマナーと注意点を解説します。
郵送で提出する場合
紙の履歴書を郵送で提出する際は、封筒の選び方から添え状の作成、郵送方法まで、細やかな配慮が求められます。
封筒の選び方と宛名の書き方
- 封筒のサイズ: 履歴書を折らずに入れられる「角形A4号」(A4サイズの場合)または「角形2号」(A4サイズの場合)を選びます。B5サイズの履歴書の場合は「角形3号」が適しています。三つ折りにして長形封筒に入れるのは、折り目が多くなり見栄えが悪くなるため避けましょう。
- 封筒の色: 白の無地が最もフォーマルで清潔感があり、おすすめです。茶封筒は事務的な用途で使われることが多く、他の郵便物に紛れてしまう可能性があるため避けた方が無難です。
- 宛名の書き方:
- 表面: 宛名は黒の油性ペンやボールペンで、丁寧に大きく書きます。
- 郵便番号、住所を都道府県から正確に記入します。
- 会社名、部署名も省略せずに正式名称で書きます。
- 宛名は、担当者名が分かっている場合は「〇〇様」、部署宛ての場合は「人事部 御中」とします。「御中」と「様」の併用はしません。
- 封筒の左下に赤ペンで「履歴書在中」と書き、定規を使って四角く囲みます。これにより、開封前に中身が重要な書類であることが分かります。
- 裏面: 左下に自分の郵便番号、住所、氏名を記入します。封をしたら、中央に「〆」マークを書きます。
- 表面: 宛名は黒の油性ペンやボールペンで、丁寧に大きく書きます。
添え状(送付状)の書き方とテンプレート
郵送の際は、必ず添え状(送付状)を同封するのがビジネスマナーです。添え状は、誰が、何の目的で、何を送ったのかを伝えるための挨拶状の役割を果たします。
【添え状の基本構成】
- 日付: 投函日を右上に記載。
- 宛名: 会社名、部署名、担当者名を左寄せで記載。
- 差出人情報: 自分の氏名、住所、連絡先を右寄せで記載。
- 件名: 中央に「応募書類の送付につきまして」などと記載。
- 頭語・時候の挨拶: 「拝啓 貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」など。
- 本文: 応募の経緯や自己PRを簡潔に述べます。
- 結語: 「敬具」を右詰めで記載。
- 記書き: 中央に「記」と書き、同封書類の一覧(履歴書、職務経歴書など)を箇条書きにします。
- 締め: 右詰めで「以上」と記載。
添え状もパソコンで作成し、A4サイズ1枚にまとめるのが一般的です。
履歴書の入れ方と郵送方法
- 書類の順番: 上から①添え状、②履歴書、③職務経歴書、④その他の書類の順に重ねます。採用担当者が最初に目にするのが添え状になるようにします。
- クリアファイルに入れる: 書類一式を無色透明のクリアファイルに入れます。これにより、郵送中の雨濡れや折れ曲がりを防ぎ、丁寧な印象を与えます。
- 郵送方法: 郵便局の窓口から「普通郵便」で送るのが一般的です。料金不足を防ぐためにも、窓口で重さを測ってもらうと安心です。締め切りが迫っている場合は「速達」を利用しますが、基本的には余裕を持って準備しましょう。「簡易書留」は相手に受領印を求めるため、企業によっては手間だと思われる可能性があり、通常は不要です。
メールで提出する場合
Web応募など、履歴書をデータで提出する機会も増えています。メールでの提出にも特有のマナーがあります。
履歴書をPDF化する方法
WordやExcelで作成した履歴書は、必ずPDF形式に変換してから送付します。PDFは、相手のPC環境に左右されずレイアウトが崩れない、改ざんされにくいといったメリットがあります。
- 変換方法: WordやExcelには「名前を付けて保存」からファイルの種類で「PDF」を選択する機能や、「エクスポート」機能があります。これらを使えば簡単にPDF化できます。
- ファイル名: ファイル名は「履歴書_氏名.pdf」や「20240520_履歴書_山田太郎.pdf」のように、誰の何の書類かが一目で分かるように設定します。
パスワード設定は必要か
履歴書は個人情報のかたまりであるため、セキュリティ対策としてパスワードを設定すべきか迷うかもしれません。結論としては、企業の指示がない限り、パスワードは設定しない方が親切です。
採用担当者は多くの応募書類を処理しており、ファイルを開くたびにパスワードを入力するのは手間になります。もし企業側からパスワード設定の指示があった場合は、その指示に従い、パスワードは別のメールで送るなどの配慮をしましょう。
メールの件名と本文の書き方【例文あり】
メールもビジネスコミュニケーションの一つです。件名と本文は、簡潔かつ分かりやすく書くことが重要です。
【メール例文】
件名:営業職応募の件/山田 太郎
〇〇株式会社
人事部 採用ご担当者様
はじめまして。
山田 太郎と申します。
貴社Webサイトにて営業職の求人を拝見し、
ぜひ応募させていただきたく、ご連絡いたしました。
履歴書(写真貼付)と職務経歴書を、PDF形式にて添付いたしました。
ご査収くださいますよう、お願い申し上げます。
お忙しいところ恐縮ですが、
面接の機会をいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
山田 太郎(やまだ たろう)
郵便番号:〒123-4567
住所:東京都〇〇区〇〇1-2-3 〇〇マンション101
電話番号:090-1234-5678
E-mail:yamada.taro@example.com
【ポイント】
- 件名: 「【応募の件】氏名」のように、用件と差出人が一目で分かるようにします。
- 宛名: 会社名、部署名、担当者名を正式名称で記載します。
- 本文: 挨拶、応募の経緯、添付ファイルの内容を簡潔に伝えます。
- 署名: 氏名、住所、連絡先を必ず記載します。スマートフォンの設定で自動挿入される署名ではなく、PCから送る体裁で整えましょう。
面接時に手渡しする場合
面接当日に履歴書を持参するよう指示されるケースもあります。渡し方一つで印象が変わるため、マナーを心得ておきましょう。
封筒に入れたまま渡すべきか
履歴書は、クリアファイルに入れた上で封筒に入れ、綺麗な状態で持参します。封筒に入れることで、持ち運び中の汚れや折れを防ぎます。
渡す際は、受付で渡す場合と、面接官に直接渡す場合があります。
- 受付で渡す場合: 封筒に入れたまま渡します。
- 面接官に直接渡す場合: 封筒からクリアファイルごと取り出し、封筒の上に重ねて渡すのが最も丁寧なマナーです。面接官がすぐに中身を確認できるようにするためです。
渡すタイミングとマナー
- 渡すタイミング: 面接官から「履歴書をいただけますか」と指示されてから渡すのが基本です。自分から先に差し出すのは控えましょう。もし指示がなければ、面接の最後に「履歴書はいかがいたしましょうか」と尋ねても良いでしょう。
- 渡し方: 椅子に座っている場合は一度立ち上がり、面接官の正面に回ってから渡します。相手が読める向きにして、両手で丁寧に差し出します。「こちらが応募書類です。よろしくお願いいたします」と一言添えると、より良い印象を与えます。
提出前に最終確認!履歴書のセルフチェックリスト
履歴書を提出する直前に、もう一度全体を見直しましょう。うっかりミスが、あなたの評価を下げてしまう可能性があります。以下のリストを使って、最終確認を行ってください。
誤字脱字はないか
最も基本的な、そして最もやってはいけないミスが誤字脱字です。 どんなに素晴らしい内容でも、誤字脱字があるだけで「注意力が散漫」「仕事が雑」という印象を与えてしまいます。
- 声に出して読んでみる
- 時間をおいてから見直す
- 可能であれば第三者(家族や友人、転職エージェントなど)にチェックしてもらう
- パソコンで作成した場合は、校正ツールも活用する
日付は提出日または郵送日になっているか
履歴書の日付は、作成日ではなく「提出する日」です。
- 郵送なら投函日
- メールなら送信日
- 持参なら面接日
になっているか、再度確認しましょう。古い日付のままだと、使い回しを疑われる可能性があります。
写真は剥がれないように貼られているか
証明写真が曲がっていたり、剥がれかかっていたりすると、だらしない印象を与えます。
- まっすぐ、枠内に収まるように貼られているか?
- のりや両面テープでしっかりと接着されているか?
- 写真の裏に氏名を書いたか?(万が一剥がれた時のため)
空欄はないか
原則として、すべての欄を埋めるのがマナーです。
- 記入することがない欄に「特になし」や「貴社規定に従います。」と記入したか?
- ふりがなの振り忘れはないか?
- 住所のマンション名や部屋番号まで記載したか?
- 見落としがちな空欄がないか、指差し確認をしましょう。
職務経歴書との内容に矛盾はないか
履歴書と職務経歴書はセットで評価されます。両方の書類に記載されている内容に食い違いがないか、必ず確認してください。
- 入社・退職の年月日は一致しているか?
- 会社名、部署名などの固有名詞は正確か?
- 志望動機と自己PRで、アピールしている強みに一貫性があるか?
内容の矛盾は、あなたの信頼性を大きく損ないます。
提出するのはコピーではなく原本か
手書きの場合、提出するのは必ず原本です。下書き用や控えとして取ったコピーを誤って提出しないように注意しましょう。
パソコンで作成した場合も、印刷した際にインクのかすれや汚れがないか、綺麗な状態のものを提出します。
これらのチェックリストを一つひとつクリアすることで、自信を持って履歴書を提出できます。 最後のひと手間が、合否を分けるかもしれません。
転職の履歴書に関するよくある質問
最後に、転職の履歴書に関して多くの人が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。
履歴書はどこで買える?
履歴書は、様々な場所で購入できます。
- コンビニエンスストア: 24時間いつでも購入でき、急に必要になった際に便利です。
- 文房具店・書店: 種類が豊富で、JIS規格、転職用など様々なフォーマットから選べます。
- 100円ショップ: 安価に購入できますが、紙質が薄い場合もあるため、品質を確認しましょう。
- スーパーマーケット: 文具コーナーで取り扱っている場合があります。
- オンラインストア: Amazonや楽天などでも購入できます。
前述の通り、Webサイトからテンプレートを無料でダウンロードして、自宅のプリンターで印刷する方法も非常におすすめです。
パートやアルバイトの職歴は書くべき?
正社員の転職の場合、原則としてパートやアルバイトの職歴を記載する必要はありません。 しかし、以下のケースでは記載した方が有利に働くことがあります。
- 応募する仕事内容と関連性が高い場合: 例えば、事務職に応募する際に、データ入力のアルバイト経験があればアピールになります。
- 職歴にブランク(空白期間)がある場合: アルバイト経験を記載することで、ブランク期間中も働いていたことを示せます。
- 社会人経験が浅い(第二新卒など)場合: アルバイトを通じて得たスキルや経験(接客スキル、責任感など)をアピール材料にできます。
記載する場合は、社名の後に「(アルバイト)」や「(パートタイマーとして勤務)」と書き添え、正社員の経歴と区別できるようにしましょう。
派遣社員の経歴はどう書けばいい?
派遣社員として勤務した経験は、「派遣元(登録した派遣会社)」と「派遣先(実際に勤務した会社)」の両方を明記するのが正しい書き方です。
【派遣社員の経歴 記入例】
| 年 | 月 | 職歴 |
| :— | :— | :— |
| 2020 | 4 | 株式会社〇〇スタッフに派遣登録。 |
| | | 株式会社△△商事 経理部に派遣社員として勤務(~2023年3月) |
| | | 請求書発行、入金管理、月次決算補助業務に従事。 |
| 2023 | 3 | 派遣期間満了により退職。 |
このように書くことで、雇用契約を結んでいた会社(派遣元)と、実際にどのような業務を行っていたか(派遣先・業務内容)を正確に伝えることができます。
押印は必要?
かつては履歴書への押印は必須とされていましたが、近年は政府の「脱ハンコ」推進の流れを受け、押印不要の履歴書が主流になっています。
- 印鑑欄がない履歴書: 押印は不要です。
- 印鑑欄がある履歴書: 企業からの指示がなければ押印するのが無難ですが、必須ではないケースが増えています。応募企業の指示をよく確認しましょう。
- 押印する場合: シャチハタ(インク浸透印)は不可です。必ず朱肉を使う認印を使用し、かすれや曲がりに注意して丁寧に押しましょう。
迷った場合は、押印しておくとより丁寧な印象になりますが、押印の有無が直接合否を左右することはほとんどないと考えてよいでしょう。
履歴書を書き間違えた時の対処法は?
手書きで履歴書を書いていて間違えてしまった場合、最善の対処法は「新しい用紙に書き直すこと」です。
前述の通り、修正液や修正テープの使用は絶対に避けてください。二重線で訂正し、訂正印を押す方法もありますが、これも見栄えが悪く、良い印象を与えません。
どうしても時間がないなど、やむを得ない事情で一文字だけ訂正したい場合は、定規を使ってきれいに二重線を引き、その上に訂正印を押して正しい文字を記入します。しかし、これはあくまで最終手段であり、原則は書き直しです。
履歴書は、あなたの第一印象を決める大切な「顔」です。 少しの手間を惜しまず、完璧な状態で提出することが、転職成功への第一歩となります。この記事を参考に、自信の持てる一枚を完成させてください。